電子の歌姫が三次元に来るそうですよっ?!
□電子少女がやってきた!
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日中なのにカーテンを閉め切った暗い部屋。
暑い夏の日差しが照りつける外とは違い、部屋の中は快適な冷房が効いている。
その部屋の中に、ヘッドホンを1日中耳につけパソコンとにらめっこしている少女…。
ニジヲタヒキニート。
二次元オタク引きこもりニート。
少女の名前は、名無しさん。
15歳の中卒だ。
ろくに中学校も行っていない、仕事なんてしているハズがない。
ふと時計を見ると、お昼の3時過ぎ。
名無しさんは大きく背伸びをすると、お昼ご飯を食べる為一階に降りた。
因みに名無しさんの部屋は二階だ。
それと、今日は荷物が届く。
名無しさん
「母さん、お腹空いた。」
母
「あら、名無しさん。2日ぶりね、最近暑いわねー。」
母さんは笑顔であたしに声をかけてくる。
けど、きっと本心では働けよ、とか思ってんだろうな。
人間ってそんなモノだからさ。
あたしはそんな事を思いながら、冷蔵庫を開ける。
食べたいモノがないから、棚を開けていつものカップラーメンを取り出す。
母
「栄養のあるモノ食べないと、体壊すよ?」
名無しさん
「大丈夫、あたし体壊すような事してないから。」
母
「フフ…、そうだったわね。」
ピンポーン
母さんとそんなやり取りをしていると玄関のチャイムが鳴った。
今日届く予定の荷物かな?
なんて事考えながら判子を手に持ち玄関に向かった。
ガチャ
ドアを開けると何やら重そうな箱を持った宅急便のお兄さんが立っていた。
こんなに大きな荷物、あたしのじゃないね。
だってあたしが頼んだモノはパソコンソフトだもん。
あまりに大きな箱を見て名無しさんは思った。
けれど、出たついでにと…判子を押して荷物を受け取った。
名無しさん
「母さん、荷物届いてるよ。」
母
「お母さんに?あら、何かしら?」
母はリビングから出てくると箱を開封し始めた。
あたしはそろそろラーメンが出来た頃だろうとリビングのドアに手をかけたその時…。
母
「キャアっ!」
母さんの間抜けな声が聞こえたのと同時にあたしは振り返った。
すると…
「初めまして!名無しさんさんですか?」
間違いない、これは…
「どうしたんですか?ご注文有り難うございました♪」
あたしが注文したパソコンソフト、ボーカロイドの初音ミクだ。