犬夜叉〜短編集〜

□愛する者
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名無しさん
「奈落、こんな所に居たんだぁ!」


奈落
「…名無しさんか。」

名無しさん
「また犬夜叉にやられたの?」

奈落
「ふんっ…。」

奈落は着物を整えた。


白童子
「奈落、名無しさんが泣きそうな顔をしているぞ?」

白童子は名無しさんの顔を見ながらニヤッと笑った。


名無しさん
「な、泣きそうじゃないし!」

奈落は心配そうな表情で名無しさんを見つめた。


名無しさん
「だって奈落、無口すぎるでしょー!」

名無しさんは半分呆れた感じで奈落に抱きついた。


奈落
「…すまなかった。」

奈落は名無しさんの背中に手をまわすと抱き寄せた。


その様子を見つめる白童子。


名無しさん
「奈落、犬夜叉ばっかり構わないであたしを構ってよ?」

名無しさんは奈落を見上げて言った。


奈落
「わしとて名無しさんを構いたいがな…。」

言いかけて止めた。

名無しさん
「奈落?」

奈落
「今宵、わしの部屋に来い…。」

名無しさん
「えっ?遊んでくれるの?」

名無しさんは尻尾をふる仔犬みたいな顔をして奈落を見つめる。


白童子
「ふっ、まだまだ子供だな。」

白童子は呆れた声で部屋を出た。


奈落は白童子の後ろ姿を目だけで見送ると、名無しさんに口づけをした。


名無しさん
「な…らく…。」

名無しさんのうっとりした声が響いた。


奈落
「わしは…名無しさんを愛している。」


名無しさん
「あたしもだよ…。」


そして二人はまた口づけをした。

奈落の舌が、名無しさんの舌にからまりながら長い長い口づけをかわした。




【完】
 

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