七人隊〜蛮骨の恋唄〜

□帰郷
1ページ/7ページ




門の前まで来た三人。

蛮骨
「へっ。帰って来たぜ。」

蛮骨は門をくぐると城の中へ入って行く。

蛮骨
「戻ったぜ。」

すると煉骨が出てきた。


煉骨
「大兄貴、早かったな。」

蛮骨
「あぁ。」


城に入ると蛮骨は蛮竜を置き、酒を取りに行った。

すると…。

蛮骨
「酒がねぇ…。」

蛮骨は怒りながら煉骨の元へ行った。

蛮骨
「煉骨、てめぇ!俺の酒どーしたんだよ?」

煉骨
「大兄貴…、それが。霧骨が全部呑んじまったんだ。」

蛮骨
「霧骨だと?霧骨!出てきやがれ。」


霧骨は恐る恐る出てきた。

蛮骨
「てんめぇ…!」

霧骨
「え…その…」

蛮骨
「許さねぇ。」

そう言うと霧骨を殴り飛ばす。

蛮骨
「てめぇ、買ってきやがれ。」

霧骨は気絶していた。

姫莉
「ば、蛮骨。あたし買ってくるよ!」

蛇骨
「じゃあ俺もついてってやるよ。」

姫莉
「蛇骨、行こうか!」

二人は慌てて酒を買いに行く。

蛮骨はそのままそこへ腰をおろした。


………。


姫莉
「はぁ、霧骨かわいそうだね。」

そう言うわりには笑っていた。

蛇骨
「まぁ兄貴の呑んじまってたし、しょうがねぇよ。」

蛇骨は呆れた顔で答える。


二人は無言のまま隣の村に急ぐ。

蛇骨
「姫莉はよぉ、兄貴のどこが好きなんだぁ?」

姫莉
「蛮骨?…初めは興味無かったけど、なんかだんだん気になってきたっていうか…。」

姫莉は立ち止まり考える。

蛇骨も立ち止まり、蛮骨よりもさらに背の低い姫莉を愛しい目で見つめる。

すると自然と蛇骨は姫莉を抱きしめた。



姫莉
「蛇骨…?」

蛇骨
「俺が初めて好きになった女だ。」

蛇骨は小さな姫莉を抱きしめながら言った。

蛇骨
「おめぇ、ちっちぇなぁ。」

蛇骨は、蛮骨でも小さいと思うのに、蛮骨よりも小さな姫莉を見つめながら言った。


姫莉
「蛇骨、どっかで頭打ったの?」

蛇骨
「打ってねぇよ。」

蛇骨は呆れた顔で姫莉を見つめた。

姫莉
「本気…なの?」

蛇骨
「おう。」


そのまま沈黙が続いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ