七人隊〜蛮骨の恋唄〜

□蘇った七人隊
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四魂の玉も消え去り、犬夜叉たちは幸せに暮らしていた。

他の妖怪たちもそれは一緒だった。

四魂の玉が無くなった今、争う理由などは無いからだ。

だが戦は終わっていなかった。


ある晴れた穏やかな日…。


「俺の相棒取りに行くぜ。」


地獄から蘇ったある雇われ兵隊の七人。

そう、七人隊は地獄から蘇ったのであった。


七人隊の首領、蛮骨。
斬り込み隊長、蛇骨。
毒使い、霧骨。
副将、煉骨。
医者と殺人鬼の二つの人格を持つ、睡骨。
全身に武器をしこむ、銀骨。
巨大な鬼、凶骨。

これが七人隊である。


蛇骨
「へへっ、地獄も退屈してたんだよなぁ!」

煉骨
「地獄の門を通れたんだ。俺たちは自由だ。」

蛮骨
「おいてめぇ等、俺の相棒取りに行くぜ。」

首領、蛮骨の指示に従いみんなは移動する。

蛇骨
「蛮骨の大兄貴よぉ、本当にあそこにあんのかぁ?」

蛮骨は口角をあげ、ニヤッと笑う。

蛮骨
「あぁ、ある。」

蛮骨の綺麗な黒髪に三つ編みに結った姿が太陽に照らされる。


蛮骨
「あったぜ。」

蛇骨
「本当だぁ!兄貴の蛮竜!」

蛮骨
「犬夜叉たち、何を思ったか知らねぇが俺らの墓まで作りやがって…。」

蛮骨は蛮竜が刺してある手前の盛り土を足でくしゃくしゃにした。

蛇骨
「犬夜叉どこ居んだろ?」

蛇骨はウキウキしながら辺りを見渡す。

蛮骨
「……俺らを利用してた奈落って奴、死んだらしーぜ。」

蛇骨
「地獄の奴等が噂してたもんなぁ!」

蛮骨は蛮竜を肩に担ぐとスタスタと歩き始める。

蛮骨
「肩慣らしに城潰すか。」

蛇骨
「いいねぇ〜。」

蛇骨は久しぶりの蛇骨刀を振り回す。


七人隊が歩いてるその前を。

タタタッ

何かが走り去った。

蛮骨
「ん?」

蛮骨はめんどくさそうに見つめた。

そこには胸までの長さでネズミ色の瞳をした娘がこちらを見ていた。

蛇骨
「人間じゃねぇなぁ。しかも女だ。」

蛇骨は娘を見つめて言う。


「あんた達、人間?」

娘は七人隊に聞いた。

娘の声は低く、透き通るような声をしていた。


蛮骨
「おう。お前、名前なんてゆーんだ?」


「あたしは姫莉。」


蛮骨
「可愛い面してんなぁ。」

蛇骨
「兄貴よぉ、妖怪だぜ?」

蛇骨はふてぶてしい顔をしている。

蛮骨
「姫莉、俺らと一緒に来ねぇか?」

姫莉は少し考えていた。

姫莉
「うん。」

姫莉は気の強そうな顔をしていて、白と黒の毛皮を腰と胸に巻いていた。
腰には立派な刀をつけていた。
髪の毛は真っ直ぐで全体が赤で、所々に金色が入っていた。


蛇骨
「そんなあっさりついてくんのかよ!」

蛇骨は姫莉につっこむ。

姫莉
「妖怪同士の戦で父上と母上は死んだ。残ったのはあたしだけだから、逃げてきた。」

蛇骨
「ガキか?いくつなんだぁ?」

姫莉
「15だ。」

蛮骨
「そうか。じゃあ行こうぜ。」

姫莉と七人隊は城に向かった。
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