メインの弐

□黙認の裏で
1ページ/1ページ


ここ最近の山崎の行動は…

ドラゴンボールの単行本を全巻揃えて、暇を見ちゃ読んでいる。
この前は、原田とドラゴンボールのことで何かアツく語っていたな。
「やっぱクリリンさんが…」
さん付けか。まぁ、クリリンは地球人最強だからな。尊敬しているのか。

非番の日になれば、浮き足立ってあのカラクリ家政婦のストーカーだ。
ここのトップがトップなら、下の者もそれに倣って…
決していい影響じゃねえな。

この前は寝言で「ゲロ」がどうとか言ってたな。
アレか、件のもんじゃのことか?

最近山崎は浮かない顔をしている。
どうした、まさか、もう失恋か?

「やっぱオレはクリリンさんにはなれないんですよ…」

はぁあ?
何を今更分かり切ったことを?!
オマエはどんなに頑張ったって空は飛べねえし、気円斬を繰り出すことは出来ねえよ。

「人造人間18号って、元は人間なんですよ。人造じゃなくて、改造人間なんですよ!だからクリリンさんと結婚も出来て子供も生めたんですよ!オレの一縷の望みは完全になくなりました!」

は?
あ、それで真剣にドラゴンボール読み返してたわけ?
人造人間と結婚したクリリンを崇めてたわけ?

「もしかしてと思って、たまさんを作った人物、つまりドラゴンボールで言う“ドクター・ゲロ”に当たる人を捜してたんですけど…」

そこまで言って山崎の表情は益々曇った。








たまさんの「親」が、指名手配犯のあのカラクリ技師だなんて、今は言えない…

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ