メインの弐

□誓う
1ページ/1ページ


好きです。好きなんですあなたのことが。
副長、貴男様のことが。

オレ、どうかしてる。

「おい、色々こぼれてるぞ」
「え?!な…なにが?」

隣に座る原田に指摘されて気付く。
食卓にボロボロこぼした米の粒と…

「監察にあるまじき、だな」

そう言って原田はオレの眼前に人差し指を突きつけた。
ハッとすると、原田はその人差し指を、オレがさっきまでやっていた視線の先に向けた。

「やめておけ」
「あぁ、わかってるよ…」

原田にはバレていた。

「気を付けろ。俺にバレてるぐらいだからな、勘のいいあの方が気付いていないワケがない。しかもそれが当事者だ。お前…自分の立場を考えろ」

そうだな…副長は気付いていない振りをしてくれている。

「忠告ありがとう、原田」

オレは幸せ者だよ。
オレの気持ちに気付いていながら、何も言わず側に置いてもらえているのだから。
それが「おれたちのこたえ」なのだと、今気付いた。


だからオレは

貴男様とこの組織に永遠の忠誠を誓う。
それが、オレに出来る命懸けの恋なのだろう。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ