メインの弐
□右側に山
1ページ/1ページ
受け身になって知る感情。
受け入れる、迎え入れる覚悟。
その覚悟を形成する心情。
女が恋愛において「心の繋がり」を求めるのは、きっとそう言うこと。
オレが女の人に恋をするときは、いつも「触れたい」というのが第一で、
触れたいから一緒にいたくて、一緒に居たらやっぱり触れていたくて、
もちろん、好きだから「触れたい」んであって…
「結局、カラダ目当てなの?」
いや、違うんだ。そうじゃないんだけど、でも…強く否定できない。
「私はただあなたと一緒に笑ったり、泣いたり、そういう時間を共有して、大切にしたいだけ」
ーーーーーでもあなたは、そういう時間を仕方なしに共有したご褒美として、私のカラダにありつこうとしてるんでしょ?ーーーーー
なんて言われちゃったりしてね。
正直面倒臭いな、なんて、思ったりしたけど
「土方さん、オレ、土方さんの何なんですかね」
「あ?」
今日もオレは、求められるがままにカラダを差し出す。
「オレ、ホントに大事にされてんのかなぁ、と思って」
「…なんか不満でもあんのか?」
「男でもこういう関係になると、孕むんですね」
「はぁ?」
色んな感情を孕むんですよ。
相手のカラダを自分のカラダに受け入れるって事は、どうされても良いって覚悟が有ってのことで。
そしたらあなた、私の心を受け入れてよ
って、望んでしまうんです。求めてしまうんです。
心が。
心を。
「そんなつまんなそうな表情すんなよ。おめえが何を孕んだって俺がその責任とってやるから。それが男の役目なんだろ」
好きでもねぇ奴に触れたいわけねぇだろ。
愛してもねぇ奴を素面で抱けるわけねぇだろ。
そう耳元で囁かれたら、オレは何の疑いもなく、あなたを受け入れるしかないじゃないですか。