メインの壱

□創作だから
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これって創作だからって、前に一度カメハメ波撃てたじゃないですか。
もう一回、オレの非現実的な願い訊いて貰えませんか?
オレ、あの人との子供が欲しいんです。

え?はい、分かりました。とりあえずそう言ってみればいいんですね?



「副長、お話が…」
「どうした?」
「実は…月の物が来ないんです…」
「そうか。俺も来ないぞ。ってか、生まれてこの方一度も来たことねえよ」
「ですよね」


どうなってるんです!?
オレ、これじゃただのイタい人じゃないっすか!!
え?あの人はアレでちょっと残念なところ有るから今頃そのことで頭一杯?
うーん…俄に信じ難いですけど…


「山崎、あー…さっきのことなんだが…」

えーっ!?まじでか!!!

「天人も蔓延るようなこんな時代だからな…何があったって不思議じゃねえよな。もしお前が言ってることが本当なら、その…すまん」
「え……?」
「順当な道筋と違(たが)っちまったが、責任とらせてくれ。頼む、俺と…家庭を築いちゃくれねえか」

わー!わー!わー!!なに?これ、プロポーズ?!
何このくすぐったい感じ?
腹がムズムズす…って、ウワーッ!!!腹が膨らんできてるー!!!!

「山崎、でかしたぞ!」
「え?ちょっ、待って」
「おーい、聞こえまちゅかー?父ちゃんでしゅよー」

腹に喋り掛けてる!しかも赤ちゃん言葉!!

「トシ!ザキ!おめでとう!」
「おめでとうございます!!お二人とも末永くお幸せに」
「エロ方もやっぱやるこたぁやってんですねィ。このどスケベ」

みんな…

「祝言を挙げるぞ!レッツパーリー!!」

副長、それキャラ違います…ってか、何つーデレ顔で笑うんだ、この人は。
こんな副長の顔…初めて見たな。

どんちゃん騒ぎ。
みんなこんなに祝ってくれて…

「大丈夫か?気分悪くないか?」

副長はこんなに優しくて…

「おい山崎ぃ、飲んでるかぁ?酌させろィ」
「バカヤロー、総悟、てめぇ妊婦に酒なんか飲ますんじゃねえ!俺が代わりに承けてやるから」
「おっと。そいつぁすいません。オラ、死ぬまで飲めよ土方コノヤロー」
「ちょっ…ラッパは無理…」



「おい!みんなよく聞け!俺ぁなぁ、無事に子供が産まれてくれりゃ、他に何にもいらねえ!俺は、煙草をやめるぞ、ジョジョーッ!!」

だから、それ、ちょいちょいキャラ違うの何なんです?
っていうか、副長酔っぱらいすぎ。

「おーい、十五郎(仮名)聞こえまちゅかー?父ちゃんなぁ、おめえとおめえの母ちゃんのために一生懸命頑張るからな。おめえも元気に生まれて来いよ」

副長はそう言って、オレの腹に耳を当てたまま眠ってしまった。

「駄目な父ちゃんでさァ。こんな所で寝たら、腹ん中の子が苦しくていけねぇや。ちょっとこの馬鹿親父、向こうに連れてって寝かせて来まさァ」

副長は沖田さんに引きずられて部屋を出ていった。

その時

「うっ…お腹が…」
「どうした!ザキ!!」
「陣痛ですか?」
「おい、誰か早く車の手配!」

痛い。お腹痛い。死ぬ。こんな痛いの死んじゃう!
もう…駄目…



「山崎、でかしたぞ!立派な男の子だ!よく頑張ったな、ありがとな」

副長が赤ちゃんを抱いて、少し涙目で微笑んでいる。

え?産まれたの?
オレ、産んだの?
どこの穴から!?

「オー、どれどれ。いゃー、やっぱり小いちゃいなぁ。お、この目はお母ちゃん似だな」
「俺にも見せてくだせぇ。へえ…悔しいけど、赤子はやっぱ可愛いな…」
「見ろよこの立派なM字バング、俺の遺伝子だろ」
「後、このふてぶてしい感じは父ちゃん似でさぁ」
「んだと?」

微笑ましい。なんて穏やかな時間。
なんて愛おしい空間。

オレ、貴方の子産んだんですね…。
神様、有り難う御座います。
オレ、幸せになります!!



「起きろ山崎!!てめぇ居眠りしながらニヤニヤしてんじゃねえ!気持ちわりぃ」

はっ!?
車の中…そうか。パトロール中だった…。
だよな。そんな話有るわけ無いもんな。

「よっぽど良い夢見てたのか?」
「はぁ…まぁ」
「…山崎」
「はいよ?」
「月のモンがこねぇんだが」



!?


おわり

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