メインの壱
□ど変態
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此奴の貞操観念はどうなってるんだと疑うほど、桂は簡単に身体を開いた。
逆にこっちが戸惑った。
「どうした?貴様が…いや、退がこうしたいと申したのだろう」
「えっ…」
抵抗しない桂を組み敷いて、乱暴に服をはぎ取ったはいいけど、それからどうしたらいい…?
って言うか、本当に良いわけ?
「何故動かぬのだ」
疑問はそこか?
男である桂が、男であるオレに犯されそうになっているこの状況に疑問はないのか?
そして、そんな真っ直ぐな目で見るな!
「口付けて、俺の体をまさぐって、まぐわうつもりではなかったのか」
そんなはっきり言うな!
「どうした、緊張しているのか?あの時の勢いはどこに行った?」
煽ってんのか?コレ、煽ってんのか?!
「そのつもりで店にまで来て、閉店まで待っていたのではないのか?」
そうだけど!!でもさ、なんて言うの?もうちょっとさ、色気があっても良くない?
なんなのこの人、いかにも普通に、さも当たり前かのように受け入れようとしてるんですけど!?
オレの苦労や葛藤はなんだったの?
調子狂うよ、ホントに。
桂の両肩の横に突いたオレの腕を、桂がそっと掴んだ。
「俺の事を好きだと言ってくれる人間を、俺は無碍には出来んのだ…退が、俺に会いたかったと、抱擁をくれた時に覚悟は出来ている。来るが良い…」
桂がそっと目を瞑る。
覚悟を決めた武士の顔…
いや、今更そんな表情、重いんですけどぉおー!!
意地でも続く