メインの壱

□名は体を著す
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お前まで背負い込む余裕がないと貴方は言ったから、それでもいいから側に置いてと頼んだ。
オレの事なんか、ひとときも考えてくれなくても良いから、一番近くに居させて欲しいと言った。
その代わり、オレは総てを擲(なげう)って貴方だけを背負って生きていくから。
上司思いの部下の、熱烈な忠誠心だと思ってくれて良い。
だからオレは、何処に居ても誰よりも先に貴方の背中を見つけ、付いて行く。
支えになるように。
時に、貴方を守る楯になるために、オレは貴方より少し先を見ている。

オレは、貴方より先に終幕を見る。

そしたら貴方は、もう貴方を背負えなくなったオレを踏み越えて、唯、真っ直ぐ前だけを見て歩けばいい。

そしてまた、オレは一歩退って、

貴方の背中を探しに行く。

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