メインの壱
□大人になったんです
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それからも、一日一通他愛のないメールを送った。
ただ、もう「好き」だとか「会いたい」なんて言葉は一切使わなくなった。
そして、一方的に送りつけるメールの内容はどんどん病んでいった。
メールを送るのは止めよう。それに、もしかしたら急に引いたら彼はビビってオレが気になる様になるかも知れないなんて、淡い期待も抱いた。
ある日を境にぱったりとメールを止めた。
それでも週に一度、彼はオレの家に訪れて、家庭教師をする。
メールのことには一切触れてこなかった。
その日彼は「また連絡する」と、言って帰って行った。
次の日、珍しく彼からメールが来た。
「明日、会えない?」
それから、彼とのメールのやりとりは、彼がヤりたい時に彼からオレにメールを送り、オレが返信する。それだけになった。