捏造回顧録

□捏造回顧録1
1ページ/5ページ

「原田、今度の非番いつ?」
「確か、来週の水曜だったかな」
「マジ?オレもその日非番。映画でも行こうよ」
「おう。何見る?」
「隣のペドロ2は?」
「それダメ。副長に誘われてる」
「えー。原田いっつも副長と映画見に行ってるよね。ズルイー!」


原田さんと山崎さんは仲が良い。食堂で二人はいつもこんな感じ。
不思議。
歳も違うし部署も違う。なんて言うか、毛色も違う。
監察の端くれとしてか、二人の関係に好奇心が沸いた。

あ、突然すいません。
申し遅れましたが俺は、監察方所属、吉村折太郎と申します。
はい。山崎さんと同僚、と言うか、直属の後輩みたいなもんです。

「お二人、本当に仲が良いですよね」
「うん、まあね」
「ん?山崎、そいつ誰だっけ?」
「監察の吉村だよ」
「へぇ。監察方はお前筆頭に地味で目立たない奴ばっかなんだな」
「そういう部署なんだよ!」

俺を差し置いて、また二人でじゃれてる。

「変なこと訊いていいですか?二人はどうしてそんなに仲が良いんです?」
「お、さすが監察方。いい質問だな」
「そういえば吉村は隊士募集での入隊だから知らないんだ」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ