メインの壱
□告白
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愚か者のオレは、ある日気付いてしまいました。
忠誠心だと思っていたものが、実は恋という名の劣情だと。
臆病者のオレは、それに気付きながらも、何かが変わっていくことを恐れ、気付かない振りを続けました。
しかし怠け者のオレは、いつしか気付かない振りに疲れ、認めてしまえば幾分楽なのかと考えました。
小心者のオレには、それをあなたに伝える勇気も術もなく、
卑怯者のオレは、日に日に大きくなり溢れてしまいそうなその気持ちを、せめてあなたの前ではこぼしてしまわない様に、
道化者の皮を被り、今日も何食わぬ顔であなたの側に居るのです。
人はそれを大馬鹿者と言うのでしょうが、
オレは賢者になったつもりで、それが正しいと自分に言い聞かせるのです。