捏造回顧録
□捏造回顧録23
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「原田隊長」
原田が声を掛けられ振り向くと、そこには隊服を着た山崎が立っていた。
「え?…おま…」
「これからお世話になります。原田隊長」
「山崎…」
原田は眉を顰めて、今にも感情が溢れ出しそうなのを堪えて笑ったような顔をした。
「その、原田隊長って言うのやめてくんね?なんつーか、くすぐったいっつーか、むずがゆくて適わん。原田で良いよ」
原田はそう言って山崎の背中を軽く叩いた。
「おい、部下の山崎。俺には隊長か“さん”くれろよ」
そこに居た沖田は山崎にそう言いながら刀の鞘の先を山崎の背中にぐりぐり押しつけた。
「え、あ…はい…」
(ミツバさん、あなたの思いはまず、弟さんには届かないみたいです…)