闘え。

□禁じられた遊び
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理不尽といえば理不尽なのだが。


初体験はと言えば初々しさやもどかしさのかけらもなく。
羊の皮すら被ろうとしない狼に喰われたような感じだった。
とても乱暴に−−−でも、アイツは、
愛でるという事を忘れなかった。

−−−多分。




「や、・・・ッあ、あぁあ・・・ッ」

もう理性など飛んでしまっていた。
背後。
自分に十分触れる事のできる距離にいる彼から、享受される快楽。
ただ、喘ぐだけ。
慣れない快楽に、ただただ翻弄されて。

「ひ、駄目・・・ッあぅ、ァ」

涎を垂らしながら必死に声を我慢する−−−しかし、しきれていない姿は、滑稽にも淫靡にも見えた。

あるいは、その両方かもしれない。

そう考えて、喉の奥で、クク、と笑う。

「ざまァねぇなぁ?さっきまでの威勢はドコ行っちまったんだろうなぁ・・・クク」

さっきまで、やたらと絡む自分を邪険にしていたはずの彼は、

「今じゃ前まで敵対してたヤツにナニ擦られて悦んでる淫猥男だしなァ?」

「ひぅッ・・・ぁ、く−−−!」

ぎり、と屈辱に歯を食いしばりながらも、快楽に躯は反応した。
それは再び屈辱に変換され、しかし次から次へと、その大きな手が快楽を生む。

「おーおー、もうこんだけ垂らして・・・イきてーの?」

握ったそれの先から、白く粘つくものが滴る。
わざと感じる箇所をずらして刺激すると、
もどかしそうに体を動かす姿が愛おしい。

だからこそ−−−嗜虐心が沸く。

「なら、イきたいって・・・ちゃんと言えよ、なァ?」

あ、あ、あ・・・と断続的で意味を持たない音を発していた、少年のような風貌の男は、そこでやっとまともな言葉を紡ぐ。

「・・・ッ、ばか・・・そんな、事−−−−−−言えるわけ、」

ない、と続くはずだった言葉はしかし消え去り、代わりにそれを遮るような激しい快楽が来る。
それさえ、寸止めという形だが。

「言えよ−−−なぁ、イきたいんならさァ」

胸の頂きをぎゅっと摘まれ、ヒィ、と甲高い喘ぎが漏れる。

「リカルナ」

−−−ああ、敵わないな・・・

名前を呼ばれると、どうしても−−−

「・・・イき、たい・・・です」

「くくっ・・・よくできました、と」

大変滑稽だ、と思う。
しかし−−−だからこそ、美しい。

絶頂に上り詰めるその瞬間、もっと綺麗になるのだろう−−−

「あぁあ、ァあ−−!」

甲高く、艶かしい−−どこか歓喜を含んだ嬌声が弾けた。

それと同時に−−−今まで溜まっていた白濁が、どろりと零れ落ちる。

「−−−ァ・・・」

ひく、と体が小さく痙攣して、まるで放心状態かのようにだらしなく脱力し、動きを止める。

まるで行為そのものが終わったかのようなけだるさ−−−しかしそれは、自分だけのものだった。

「おら、尻出せ。・・・挿れるぞ」

理性が壊れた体は、従順にも腰を浮かせ、後孔をさらけ出す。
ただ何も言わず、潤んだ瞳で。


熱い塊が、貫く。


「くッ・・・」

「ぁあ、ァ・・・っ」

ずぶり、と最奥まで侵入すると、再び掠れた声がわずか耳に届く。

「ぁ−−−あ・・・ッ」

初めてにも関わらず、そこはぎゅっと締め付けてきて。
思わず、嘲笑にも似た笑みが零れる。

「ッ・・・お前、実は初めてじゃねーとか?だってありえねェだろ、初めてなのに血は出ねーし締め付けすげーし、おまけに根本まで飲み込みやがってよォ・・・くくっ」

バックから両手を引っ張る形で責め立てながら言うが、ただ喘ぐだけで聞く耳を持たない。

根っからの淫乱なのか、それとも。

「あ、ァ・・・ひ、いっ、いく、ッ・・・とる、き・・・っい、イク・・・っ」

とぎれとぎれに名前を呼びながら、掠れた声で絶頂を告げる。
中は次第にぬめりを増し、未知の快楽はさらに増幅する。

嗜虐心に満ちた笑顔がくもり、余裕さが薄れていく。

「だったら、イけよ・・・ッ俺も、もー限界・・・ッ」

その顔から完全に余裕が消えて、
快楽に少しばかり歪んだその瞬間。

まるで塞きをきったように。

それは、大量に放出した。

体の中に次々とたたき付けられる熱い感触に、その体は耐えられなかった。

「ぁ、あぁあぁ・・・ッ」

さらに、絶頂へと上る感覚が合わさって、まるで心が壊れるかのような−−−過言かもしれないが−−−快楽で、声にならない声が誰もいない路地へと響く。

「−−−−−−−ッ・・・」





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