ATHER DREAM

□船長は悪戯がお好き
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 久々の宴は思いのほか盛り上がり、次々とメンバーたちは甲板の上に酔いつぶれていった。

 夏島海域であるこの地域の夜は蒸し暑い。裸で寝ても風邪をひかないだろうと思われたが、朝方ともなれば少し肌寒い。気づけば誰かがブランケットを掛けてくれていた。
 もう一眠りしようと寝返りをうったとき人の気配を感じた。トイレにでも起きたのだろうと目を閉じたが、その気配はこちらへと近づいてくる。ブランケットの中に滑り込まれ慌て目を開けた。
「……ルフィ?!」
 思わず大きな声が出てしまったが、ルフィはむにゃむにゃと寝言のような声を洩らすだけだ。
「ルフィ、寝てるの?」
 少しトーンを落として問い掛けるがルフィはもぞもぞと動いただけだった。
 あきらめて眠りにつこうとしたときルフィの腕が伸びてきた。ルフィと向かい合わせで抱き締められるかっこうになる。ビックリして覗き見るが、ルフィは胸に顔を埋め幸せそうに寝ている。

 普段子供っぽさが際立つルフィだが、時折見せる男っぽい表情や言動のギャップにひかれていた。ルフィの家庭環境は兄のことしか聞いたことがないが母親とでも思っているのだろうか。

 お母さんと間違えているのだと自分に言い聞かせたが、心臓がすごい早さで鳴り響く。ルフィが起きてしまうのではないかとひやひやした。勝手に入ってきたのはルフィだが意識のある自分に非があるような気持ちになる。
 誰かに見られてもまずいと思いルフィを剥がそうと試みたがゴムの腕は更にあたしを締めつけた。
 諦めてルフィの頭を抱き抱えるように腕を回すと、ますます胸に頬をすりつけてきた。胸元にあるルフィの寝顔を眺める。なんだか本当にお母さんになった気分だ。こうして見ると年相応には見えない。まだまだガキんちょで戦闘でのルフィとは別人のようだ。
 ふいにルフィの唇が胸の突起をかすめぴくりと体が揺れた。自分の反応に頬が熱くなる。ときどき触れるルフィの頬や唇に体が敏感に反応する。落ち着こうとしたがすでに寝るどころではなくなっていた。
 ルフィの口が胸の突起を捉えあま噛みする。ちらりと見えたルフィの赤い舌に心臓がどくんと脈打った。服の上からの刺激だが体の熱は上昇するばかりだ。

 これってホントにお母さんと間違ってるんだろうか。もしかしたら起きてるんじゃあ。

 そうは思ったが今声を出すと変な声が出そうで必死に声を押さえる。
 絡みついていた腕が緩み、やっと解放されると思い体の力が抜けた。その瞬間すばやい動きでルフィの腕はタオルケットの中に吸い込まれる。太ももに素肌の感触を感じたときにはもう手遅れだった。
「濡れてる」
 ルフィの息を吐くような声が聞こえたかと思うと唇を塞がれていた。
 ルフィの手がスカートを捲り上げ下着の中に滑り込む。すでに熱く濡れたそこはルフィの与える刺激に素直に反応した。
「……っ……ん!」
 されるがままに唇を貪られ、濡れた音が漏れる。
 普段のルフィからは想像もつかないような激しいキス。キスしながらも巧みに手は動いていて、気持ちいいところを刺激する。
 意外なテクニシャンぶりにあたしは我を忘れた。ここが甲板だとか、みんなが周りに寝てるとかそんなこともうどうでもいい。
「んっ……ふ、あァっ…」
 ちゅっと音を立てて唇が離れる。目を開くとルフィは笑みを浮かべていた。
「お前かわいすぎだぞ」
 一気に恥ずかしさが込み上げる。反撃したかったが口をパクパクと動かすだけで声は出なかった。
 にやりと笑ったルフィの表情にはいつもの子供っぽさを感じなかった。
「お前は海賊王の女になる女だ」
 真面目な顔が次の瞬間にはいつもの無邪気な笑顔に変わる。
 ルフィならきっと海賊王になれる。そしてあたしを世界一しあわせにしてくれるだろう。
 返事の替わりにルフィの首に腕を回すと軽くキスをした。




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