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□この目に映るのは
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四月。
高校生なった俺は新しい制服に身をつつみ、心はとても晴れやかだった。

秀徳高校。
強豪ひしめく東京都内でも‘西の王者’の名をもつバスケの強豪校。
「正直、受かると思ってなかったけど」
何せ偏差値が高い。
ただ単純に部活がさかんなだけではないらしい。

「さて、俺のクラスはー」
そうして掲示板に張り出されたクラス分けの名簿を見上げ始めた時だった。
「また、おれと同じクラスなのだよ。高尾」
「真ちゃん、後ろからはひびるってw」
「…視えていたのだろう。くだらんことをいうな」
「あら、バレてた?」
「………」
緑間真太郎。中学からなんだかんだとずっと同じクラスの同じ部活。そして同じ高校。まぁ、要するに腐れ縁。
こいつの場合ヨユーで合格圏内だったけど。

「じゃあクラス行こうか、真ちゃん」
「…あぁ」
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