女夢主story

□愛が足りない
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あたしは思い切って言った。





『及川先輩…』



「なーに、あいちゃん?」



『あたしと…、…別れてください
先輩と一緒に居ると、凄く…寂しいんですっ…もうダメなんです、あたし…』




我慢できなかった涙が出てきた。
及川先輩の顔を見ていると――――――――とても切なそうだった。




いつもの女の子に向けている笑顔とは全く違う。












「……なんでそんなこと言うの?
俺と一緒に居て、楽しくなっかたの?他に好きな人でもできたの?ねえ、あいちゃん」




『だって、もう我慢できないんだもん!!!
先輩は、他の女の子の所に行って、優しい笑顔見せて…そんなの見てたら…楽しくないよ!!!


ずっと、ずっと我慢してた…
自分の隣で女の子に“可愛いかったよね?”“メアド教えてよ”なんて…


そんなの聞いてて、楽しい人なんていないよ!』






「それが、あいちゃんの本音なんだね?」



『…はい』



あたしの気持ちを全部叫んだ。
もう別れても悔いは残したくないから…






「あいちゃんも、人には言えないよ
岩ちゃんと仲良く話しているじゃん…
飛雄ちゃんのこと、カッコいいって言っていたよね?」




『それは…』



「俺は、間違ったこと言いてないでしょ?」



岩泉先輩は、及川先輩の事で相談に乗っていてくれただけだもん。

飛雄とは、幼馴染で年下だけど一生懸命な所がカッコいいと思っただけだもん…





「あいちゃんだって、他の男と話すんだから同じでしょ?
俺だってね、自分の彼女が他の男見てるのは正直苛つくんだよ…分かってる?」





だから、仕返しに女の子に話かけてんの









及川先輩がそんな風に思っているなんて知らなかった。
まさかのあたしへの仕返しだったなんて…






『先輩は、あたしのこと好きですか?』



「俺は、嫌いな子と付き合える程出来た男じゃないんだよ
あいちゃんだけが、好きだから」




『…っ、あたし、まだ…及川先輩の事好きでいても…いいですか?』



「好きでいてくれないと、困るよ
でも…あいちゃんは俺と別れたいんでしょ?あぁーあ、悲しいなー」




『別れたくない、です…及川先輩が、大好きっ、です!!!』



「俺も、あいちゃんが好きだよー」





及川先輩は、あの頃と同じように抱き締めてくれた。
とても温かくて安心した。

















オマケ
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