☆Text-空白の石版-
□第二十四章 最後の夜
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※R18。
※拘束とかマニアックなプレイが苦手な方はご注意。
【SIDE:美咲】
猿比古の涙が頭から離れなかった。
それはまるで一枚の絵の様に、俺の網膜に焼き付いてしまった様で。
(猿比古....)
どうして、あんなに悲しそうな顔をしたんだろう。
今は無事に、安全な所にいるのかな。
(猿比古....俺は、お前にとって何なんだよ)
焼き付いた彼の泣き顔が、頭から離れない。
(いや....お前は....俺にとって―――)
何なんだろう。
どうして俺の胸に、猿比古の悲しそうな表情がこんなに深く刺さるんだ?
(世界、征服――――)
俺は胸の内に言葉を響かせた。
それはあの頃、退屈な日常に鬱屈した幼い自分の言葉で。
けれど今でも、その言葉は何処か瞼の裏側に星を散らす様な響きを持っていた。
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月のない、暗い夜だった。
「んっ、んん....ッ////」
「―――美咲、声....我慢せずに出せよ」
部屋に、俺の押し殺した嬌声が響く。
あの後―――猿比古を送り届けた後から、大蛇は酷く不機嫌だった。
それは夜になっても改善されることはなく....
その夜、不機嫌な大蛇に組み敷かれ、俺は全ての自由を奪われた状態で彼に貫かれた。
「今夜は....うんと可愛がってやるって、言っただろ?」
言いながら、大蛇は俺の首に填められた首輪の鎖を引く。
揺れ動かされ、大蛇の性器が俺の内側を擦り上げた。
「ぁあッ....!!////」
「美咲、そう....エロい声、もっと聞かせて」
押し殺しきれない快感に思わず声を漏らすと、大蛇の声が耳元で囁かれる。
縄で縛り付けられた俺の両手を、大蛇の指先がそっと愛撫した。
「美咲....」
俺はその声にビクリと身を震わせる。
目隠しの布に、俺の涙がじわりと染み込んだ。
「っひやぁ....!?////」
次の瞬間、俺は上擦った声を上げて逃げるように身を捩る。
乳首の上を、ぬるりとまとわりつく様な熱が這った。
....これ、大蛇の舌....か?
(あぁ、クソ....)
こんな酷い夜は、初めてだ。
俺の瞳から涙が溢れて、再び目隠しの布を濡らす。
それと同時に、大蛇の広い掌が、俺の身体を愛撫した。
「ん....んんっ////」
俺は必至に声を抑える。
大蛇に好きにされる自分が悔しかった。
そこに自分の心は無い筈なのに、器である身体だけが独りでに快感を拾ってしまう。
(あぁ....クソッ....)
望んでいない愛撫に、強引な交わりに、けして屈したくはないのに。
けれど視覚を奪われた身体は、無情にも鋭敏に快感を享受する。
「ぁあっ!!////」
「は、美咲....胸....撫でられるの好きなの?」
俺が高く声を上げると、大蛇が乾いた笑い声を上げた。
大蛇の長い指が、執拗に俺の感じる場所ばかりを攻める。
(クソ....触るなっ....触るなっ!!)
俺は心中で呟き、唇を噛んだ。
必至に、身体中へ回っていく毒のような快感に抗う。
大蛇のが、俺の中で質量を増していくのが解った。
(....また、中に....)
出されるのか――――
胸の中でそう呟くと、それを拒む心に反して、身体はキュンと大蛇を締め付ける。
まるで自身を嬲ってくれるものを求めるように。
(クソ、絶対、嫌なのに―――)
「あぁ....ん、ぃやっ....!!」
嬌声が、押さえられない。
「はは、美咲....好きだよ....愛してる」
快感の中、大蛇の声が再び耳元で囁かれた。
熱っぽい呼吸が、首筋に掛かる。
(....っ)
俺は大蛇の言葉に掌をきゅうと握った。
「は、美咲―――」
「っあ....やめっ!!」
瞬間、大蛇がガンと腰を打ち付ける。
身体の奥を抉られるようにして俺は悲鳴を上げた。
同時に、大蛇の性器が俺の中で脈動する。
「美咲、中に、出すよ....」
「っ!!」
大蛇の掠れた声が、視覚の奪われた世界の中で反響した。
俺は咄嗟に息を飲む。
「美咲―――ッ」
「ひっ....ぃやッ....!!」
瞬間、大蛇の性器から大量の熱が放たれた。
俺の中に、白濁が広がっていくのを感じる。
(....ぁあ、また)
また、中に。
瞳に涙が貯まる。
その雫は、目隠しの布に静かに吸い込まれていった。
「大蛇....もう、いいだろ」
俺はポツリと訴える。
嬲られた密壺が痙攣した。
同時に穢された身体の節々が痛む。
「もう、取れよ....この布」
俺は小さな声で言うと、唇を結んだ。
刹那、静寂が部屋に満ちる。
「目隠し、嫌だった?」
暫くすると、大蛇の静かな声が聞こえた。
ぐぷりと俺の中から性器を引き抜くと、大蛇は俺の目隠しに指を掛ける。
大蛇が性器を引き抜いた瞬間、俺の密壺から精液が溢れて肌を伝った。
「嫌に決まってんだろ....」
俺は声を低くして答える。
視界を奪われ、玩具のように抱かれ、どうして楽しいわけがあるってんだ。
「....いいよ、取って上げる」
俺が目隠しごしに大蛇を睨み付けると、大蛇が優しい声で答える。
「ただし、その前に―――」
「へ....?」
大蛇は静かにそこまで告げると、俺の身体の上半身に腕を添えて起きあがらせた。
俺はされるがままにベットに座り込む様な形にまで身体を起こす。
「....美咲、この体勢のまま....脚、開け」
大蛇はそう囁くと、背中から俺を抱きしめて支えた。
大蛇の掌が、俺の太股に触れる。
「は、脚....?ふざけんな、んなの....」
「逆らうなら取ってやらねぇけど」
俺が小さく抵抗すると、それを大蛇は一蹴した。
有無を言わさない強い口調で、大蛇は俺に命令する。
「....ッ」
「美咲、自分で出来ねーなら俺が持ち上げてやるよ」
俺が戸惑っていると、大蛇はそう言って俺の太股をそっと掴んだ。
(初めから....俺に選択肢なんてねーじゃねーか....!!)
大蛇の手により、犬のように両脚を開口させられる。
大蛇の掌が更にその脚をクイと広げて持ち上げた。
「っあ!?////」
「はは、美咲今最高にエロい格好してるよ」
両脚を左右に高く掲げられ、密壺が外気に晒される。
同時に、その密壺から精液が再びコポリとわき出した。
その感触に、密壺がきゅうと痙攣する。
「っぁ....!!////」
「....美咲さぁ、首輪付けられて....両腕縛られてる上に....こんな風に脚広げられて密壺キュンキュンさせてる....お前ってやっぱ淫乱だよな」
「っ違ぇ....!!////」
大蛇の言葉に、顔が火のように熱くなった。
羞恥が背筋を昇る。
俺はブンと頭を振って必至に否定した。
「俺はそんなんじゃねぇ....ックソ蛇!!」
「いいや、淫乱だよ....ほらじゃあ、試してみようか?」
対し、大蛇は甘く囁くように俺の身体に触れる。
「っや....////」
「可愛い声....もっと出してよ」
俺が嬌声を上げると、大蛇の声が少し優しくなった。
大蛇はゆっくりと俺の乳首に指を這わせる。
(っクソ、こんな....ぁッ!!)
俺は再び唇を噛んだ。
胸の芽を積まれ、その突起を指で押し潰される。
その度、耐え難い快感が胸全体に広がった。
「っう、ぁあ....っ....!////」
「ほら美咲気付いてる?美咲の性器から先走り凄い出てる」
「は、嘘っ....!?」
そう言うと、大蛇の指がそっと俺の性器に触れる。
触れられて初めて自身の性器が限界まで持ち上がっていることに気付いた。
「っ!?////」
「あーあ、胸と尻だけでこんな風になっちやってる....これの何処が淫乱じゃねーっての?」
俺がビクリと身を震わせると、大蛇は耳元で俺に問いつめる。
大蛇の言葉に、俺は言葉を失った。
「はは....美咲はこんな風に無理矢理犯されて感じて....変態なんだな」
「っテメェ....黙ってたら好き勝手言いやがって....!!」
大蛇は尚も言葉で俺を辱める。
俺は耐えきれず、とうとう声を荒げて叫んだ。
大蛇の言葉から、自身の屈辱的な姿がじわじわと脳裏に浮かぶ。
俺が身を震わせていると、大蛇がそっと俺の唇に指を這わせて言った。
「怒らないでよ美咲....はは、目隠し外してあげるから」
「なっ....」
大蛇はその言葉と共に、俺の目隠しに指をかける。
瞬間、浮き上がった布の隙間から光が視界に射し込んだ。
(この、タイミングで....?)
俺は大蛇の真意が解らず、大蛇を見上げる。
「ほら、眩しい?ちゃんと見ろよ―――?」
大蛇は俺の目隠しを取り払うと、俺を背中から抱きしめて優しく笑った。
俺は突如与えられた光に目を細めながらも、目を瞬く。
「な、アレ....何だと思う?」
「え....」
大蛇の指が、俺の後ろからすっと伸ばされた。
真っ直ぐに伸びた指が指す先には.....