☆Text-空白の石版-

□第十五章 二人
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※第十四章の続きです。

【SIDE:大蛇】


「大蛇....」
「ただいま美咲」

風呂場からお湯とタオル、後ボディソープを持って帰ってきた俺を迎えたのは美咲の涙目。

因みに俺はこのアイテムを取りに行くために美咲の傍を離れた訳で、別に美咲が可愛すぎて敵前逃亡した訳じゃねぇからな。

確かに風呂場で一発抜いたけど別にホントにそう言うのじゃないから。
マジだから。
別に美咲の可愛さにノックアウトされた訳じゃないから。

(って...自分で言い訳してて虚しいわ)

心中で呟きながら、ちらりと美咲の秘部に目をやれば、先程俺が挿したバイブがしっかり入ったままになっていた。

「へぇ、美咲....結構楽しんでたみてぇじゃん」
「っ違ぇっての!!んな訳あるか!!////」
「スイッチ入れた?」

俺は美咲に声を掛けると、ベットの傍らに膝をつく。
俺の意地悪な言葉に、美咲は顔を真っ赤にして俺を睨んだ。

「死ね、クソ蛇....入れるわけねぇだろ」
「そっか、じゃあ今からのお楽しみだな」

美咲の鋭い視線に内心ドキドキしながら俺は微笑む。

それにしても、ついさっきまで美咲快感にトロトロにとろけた顔してた癖に....
もういつもの野獣みたいな表情に戻っちゃったな....。

媚薬の効果が薄れて来たのか。

(まぁ素のこういう美咲も好きなんだけど)

俺は美咲のこの鋭い瞳が好きだ。
ギロリと睨んでくるのに、顔が可愛いせいで全然怖くない感じ。

(でも快感にトロトロにとろけてたさっきの淫乱な表情もまた....////)

正直俺は美咲なら何でもいいんだな。
うん。

「おい、大蛇....テメェ何ぼーっとしてんだよ」
「え、あぁ」

不意に美咲の声が降って来た。

その声に完全にトリップしていた俺ははっと我に返る。
美咲は少し赤い頬でベットの上から俺を見下ろした。

(....やばい、美咲に見下ろされるの....断然有りだ....////)

こういうの控えめに言っても嫌いじゃない....
もしかして俺ってマゾヒストだったんだろうか。

「....いやいや、それはねーだろ」

俺は小さく呟いて自嘲すると、美咲の手からバイブのスイッチをすっと取った。

「あ、何す....」
「美咲、今から一杯狂えよ」

「へ....?」

ピッ―――

俺は美咲の顔を優しく眺めると、静かにバイブのスイッチをオンにする。
その瞬間、機械音が部屋に響き渡った。

「ひぐっ!?////」

それと同時に美咲が悲鳴を上げる。
途端に美咲の顔が快感に歪んだ。

「あ、大蛇....やだ、止め....!!////」
「今コレ最弱だぞ、美咲コレでも感じまくりなの?」

俺はバイブの強度調節ボタンを眺めながらそっと言う。
美咲は苦しそうに甘い吐息を漏らした。

「や、はぁっ....////」

さっきまで生意気そうな瞳で俺を睨んでたのに、今の美咲の瞳は快感に細められてる。

(やっぱ堪んねぇわ....)

美咲、やっぱエロい....。

俺はいやらしく身体を捩らせる美咲に微笑むと、そっと美咲の脚に手を掛けた。

....美咲が気持ちよさそうによがってる所で、俺は"アレ"を何とかしないと。

俺は静かに息を飲み、美咲の脚を持ち上げる。
そして再び視界に入る、伏見猿比古の文字。

(.....何度見ても)

美咲の艶やかな美しい肌がマジックペンによって蹂躙されている様が官能的と言えなくも無いが....
やはり何度見ても苛立つ。

俺は目を細めると、持ってきたボディソープを手に取った。
ちゅ、と中の液体を手に出すと、美咲の密壺の周りにつるりと塗りたくる。

「ひやぁっ!?////」

瞬間、美咲から甘い声が上がった。
突然触られたので驚いたのだろう。

「や、大蛇....んだそれっ!?」
「何ってボディーソープ」

美咲はバイブの快感に耐えながらも、必死に俺の方へ目線をやった。

その美咲の表情が扇情的で、俺は瞬間目を細めた。
美咲の艶やかに薄く開かれた唇に、どうしても目が行く俺は思春期か。

「は、美咲、綺麗に洗ってやるから」
「へっ!?////」

くちゅり。
言うと俺は両手で美咲の尻を撫でる。

先程塗りたくったボディーソープが美咲の尻の表面で泡立っていった。

「ひ、んぅ....////」
「美咲....気持ちいいの?」
「いくねぇよっ馬鹿....////」

俺は美咲の痴態に生唾を飲む。
ベットの上で両足を高く掲げられ、密壺の周りをボディソープでぐちゅぐちゅ洗浄される美咲。

俺はタオルを手に取ると、少しだけお湯を含ませて美咲の肌を擦った。
タオルで擦ると、徐々にマジックで書かれた"伏見猿比古"の文字が薄れていく。

「今、伏見猿比古っての消してるからね」

俺はぽつりと呟いた。
瞬間、美咲の身体がピクリと跳ねる。

そろりと美咲の切ない瞳が俺に向けられた。

「....美咲に残る、伏見猿比古の痕跡....全部綺麗に消すから」

俺の声が、部屋に響く。
美咲の密壺のバイブが、それに重なって卑猥な音を響かせた。

「大蛇....」

美咲の小さな声が、俺の名前を呼ぶ。
俺は応えられず、俯いた。

ゴシゴシとただ美咲の肌に刻まれた、美咲と伏見猿比古の繋がりを消そうと腕を動かす。

(美咲に触れて良いのは....これからはずっと俺だけだ)

刹那身体の奥がキリ、と痛んだ。

俺は美咲から何か言われるのが怖くて、ピッとバイブの強度を上げる。
五段階中、三のボタンだ。

「ひゃあああっ!!」

途端、美咲は言葉を奪われてただ叫ぶ。
バイブ音がけたたましく鳴り響き、蹂躙される美咲の密壺がきゅんきゅん痙攣した。

「や、大蛇っや、ヤダ....ひっ!!////」
「美咲....」

美咲はビクリと身体を撓らせる。
それから甘い声を上げながら身体を丸めた。

「大蛇....辛....ぃ」
「っ....」

美咲は顔を真っ赤にして弱々しく呟く。
美咲の性器からは絶えず我慢汁が零れていた。

「ゃぁああっ!!////」
「美咲!!」

瞬間、美咲は大きく前のめりになって、ベットの傍らの俺に抱きつく。

....心臓が止まるかと思った。
美咲の両腕が、その刹那俺に絡みつく。

愛しい人に、今俺は抱きつかれている―――

俺は手に持っていたタオルをぱさりと地面に落とし、自身も両腕を美咲の身体に巻き付けた。

まるで、夢を見てるような気分で。
現実味が無かった。

心臓が、痛いほど熱くなる。

「ひっ、うっ....や、....変に、なる....ッ////」

俺の耳元で、美咲が切ない声を出す。
荒い呼吸に、震える身体....美咲の全てが、俺の心臓を高鳴らせた。

「は、美咲....俺に縋るなんて、可愛い」

俺は嬉しくて口元を緩ませる。
きゅっと美咲の身体を抱くと、美咲が瞬間身じろぎをした。

それから美咲はほんの少し首を傾げて、上を向く。

「も、イく.....」

美咲の熱っぽい呼吸が、耳元に掛かる。
どくんと、俺の心臓は脈動した。

(美咲....!!)

ふと、美咲の顔を覗き見る。
そして俺は言葉を失った。

美咲の頬には、透明な涙が伝っていて。
真っ赤な頬の上で、きらきらそれが光っていた。

それは、俺が初めて見る光景だった。

「――――ッ!!////」

美咲は声にならない悲鳴を上げて、俺に強く抱きつく。
少し、痛いくらい。

そしてその瞬間、美咲はイった。

「はっ、あっ....ふぁ..../////」

艶のある喘ぎ声を漏らしながら、美咲はくたりと俺の胸に倒れ込む。
くにゃりと、俺を掴んでいた腕が力を失って脱力した。

「....美咲、大丈夫か?」
「....ん」

俺は芯を失った美咲の身体を支えながら、小さく尋ねる。
美咲は真っ赤な顔で弱々しく首を左右に振った。

(....こういうのを嗜虐的な気分っつーのかな....////)

そんな弱々しい美咲を見ていると、もっと激しく啼かせたくなる。
俺は自身の中の情欲に目を細めた。

美咲の事、滅茶苦茶に犯したい。

「....美咲、顔上げて」
「っ....////」

俺が優しく言うと、美咲は再び小さく首をイヤイヤと言う様に左右に振った。
美咲の手が再び俺の身体をきゅうと掴む。

「みーさーき、その淫乱で可愛い顔を見せて欲しいんだけど」
「だ、誰が淫乱だッ!!後名前で呼ぶな!!////」

俺が少しからかう様に言って美咲の髪を撫でると、美咲はばっと顔を上げた。

真っ赤な顔。
潤んだ瞳。

色っぽい表情。

あー、確かにコレは人に見せるのは恥ずかしいレベルだな....。
エロ過ぎだわ。

「....やっと顔見せてくれたな」

俺は囁いて微笑んだ。
美咲はその言葉に、はっと気付いた様に更に頬を赤らめる。

それからギロリと俺を睨め付けた。
例の如く上目遣いで。

「....もういいだろ、このバイブ抜けよ....っ!!」

俺を涙目で見つめながら、美咲は唇を動かす。

俺は美咲の可愛さに目を細めた。

....言われなくとも抜いてやるよ。
もう、俺のが限界だから。

俺は心中で呟くと、完全に勃ち上がった自身に目をやった。
もう色々と限界でキツイ。

美咲の密壺の周りの文字は大体消えたし、漸く俺のを美咲に挿入する番だ。

俺はそう心中で結論付けると、腕の中の美咲に優しく囁く。

「美咲、ケツ出せ」
「はぁ!?ふざけんなっ....」
「バイブ抜いてやるって言ってんだよ、ほら....早く四つん這いになんな」

そう言うと、美咲は一瞬悔しそうに口元を歪めた。
幾ら何でも、四つん這いはプライドが許さないのか。

美咲はそれ以上反論しないものの、なかなか行動に移ろうともしない。

「みーさーき」
「う、うるせぇな!!別に四つん這いじゃなくとも抜けんだろ!!////」

声を掛けると、真っ赤な顔で食って掛かってくる美咲。
俺はそんな美咲に優しく微笑んだ。

「四つん這いになんないなら抜いてやらねぇけど」
「っ....!!」

しれっと言ってやると、美咲は沈黙する。
それから屈辱に目を潤ませると、憎々しげに俺を睨んだ。

俺はそっと美咲の髪に指を絡めて微笑する。

「それともバイブ、抜いて欲しくないとか」
「んなっ!?////」
「美咲、もっともっとバイブでぐちょぐちょに苛めて欲しいのか?」

「....っ!!////」

美咲は真っ赤になった。
そして無言のままくるりとベットに戻って手をつく。

「っ抜け!!///」

美咲はそう叫ぶと、震えながら両腕で身体を持ち上げ、四つん這いの姿になった。

「は....いい子だ、美咲」

俺は家畜の様な屈辱的なポーズをとる美咲に息を飲む。
口端が自然と上がるのが解った。

「....美咲」
「っ早くしろよこの遅漏野郎!!////」

美咲に罵られ、俺は目を細める。
美咲の悪態すら愛しい。

俺はそっとベットに上がると、四つん這いの美咲の身体に覆い被さった。
瞬間、美咲の身体がビクリと震える。

ゆっくりと美咲は身体を捩って俺の方を振り返った。
また、縋る様な瞳で、俺を見つめる。

(....そういう仕草一つ一つが)

俺を誘うんだよ、美咲。

俺は心中で呟くと、ゴクリと生唾を嚥下した。
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