★Text

□恋人
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※伏見視点



美咲を監禁した。

勿論美咲が大人しく監禁されてくれる訳がない。
無理矢理押さえつけて、ちょっと乱暴な手を使って気絶させた。

押さえつける時散々罵倒されたけど、美咲がくれる言葉なら俺には何だってご褒美。

「美咲」

俺はベットに横たわる美咲にそっとキスをする。
そして優しく頬を撫でた。

(まるで、眠り姫)

俺は愛しさから目を細める。

俺はね、美咲。
美咲と二人ぼっちの世界に生まれたかったな。

アダムとイヴみたいにさ。

他の屑共何て一人もいない世界で、お前と二人っきりになりたかった。

「美咲、聞こえてる?」

俺は淡い微笑みを浮かべて、眠っている美咲に声を掛ける。

「夢の中でいいからさ、俺の言葉を聞いてよ」

出来れば、幸せな夢が良いな。
中学の頃みたいなさ。

「美咲、好き」

俺は小さく呟いた。

「美咲」

本当はお前に愛されたい。
好きだって微笑んで欲しい。

「ねぇ、美咲....もうさ、お前を苛めたりしねぇよ」

美咲が俺を愛してくれるなら。

「恋人になろうぜ」

呟いて、俺は微笑んだ。

俺はそっと美咲の胸に耳を当てる。
美咲の心臓の鼓動が聞こえた。

その鼓動に、俺自身の心臓の音が重なる。

(あぁ、二人きりだな、美咲。)

まるで、世界中に二人きりだと錯覚してしまいそうな心地よい音。

美咲のこの音も、明日からはずっと俺一人のもの。

「美咲、許してやるよ.....俺を裏切ったこと」

美咲が生まれて、生きてる。
その証は、これからずっとずっと俺だけの傍で鳴り続けるのだから。

「恋人みたいに、これからずっと一緒に暮らそうなぁ....」

俺は呟いて、答えない美咲にそっとキスをした。



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初の猿美です!
自分がどれだけ猿比古を病みキャラとしてみてるかがよく分かりました←

 

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