☆Text-Don't touch me !-
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八田美咲は、人気者であるといえた。
しかしここまで彼に執着し、かつ物干しの下着のみならず彼の部屋の箪笥まで漁るほどの大胆さと実力を持つ者なんて、そう居るものではない。
(見つかったら、それこそ血も骨も、灰すらこの世に残せず消されるのがオチである)
ひとり、非常に思い当たる事がある、というかそれ以外に考えられない人物がいる。
でも、今やるべきことはそいつにかまう事ではなく、最寄りのデパートに行って下着を買うことだ。
かくして八田美咲は、その羚羊のような肢体を半袖シャツとジーパンのみで覆い、街に出ることとなった。