脱色原作沿い
□強制的な旅へ
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一人でもんもんと悩んでいると、美形青年が声をかけてきた。
「あのー、コメントを一言……」
そう言って、再度差し出されるマイク。
私はチラリ、とそのマイクを一瞥し_____
制服から文庫本を取り出して、これ見よがしに読書を開始した。
「わざとらしくスルー⁉」
背後で思いっきり青年が叫ぶが、知ったことではない。
理由はわからないが、私の警報が音をたてて鳴っているのだ。
関わらない方がいい、と。
それに、美形と言うのはそれとなく苦手だ。
…なんか腹に一物ありそうだし。
そう自分の中で結論付け、私は本に目を戻した。
ちなみにこの本は昨日購入したばかりの品である。
ちなみに最新刊だ。
電○文庫の最近アニメ化した作品。
実を言うと続きを読みたくてウズウズしていたのだ。
前巻の次巻予告に意味深なことが書かれていたし。
この際一気に読んじゃえと、私は文章を目で追おうとし______
瞬間、本が灰になった。