鳴門短編

□*勝てないこと
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――ホント、こーゆーのに関しては。













「何?」


小さく呟いたはずの言葉は、どうやらカカシにも聞こえてしまっていたようで。

私が何を言いたいのかも薄々分かっているような表情で、カカシは顔を覗き込んできた。


(カカシの方が数段どころか百も二百も上手で。悔しい、なんて)


絶対に言ってやるもんか。



そういう意味を込めてカカシを睨みあげる。


「…別に」

「嘘はよくないんじゃない?…ほら、言いなさいって」

「っ…」


いつもいつも余裕そうで。

この差はいつまでたっても埋まらない。



アカデミーでも下忍でも暗部でも、カカシと私に大した優劣なんてなかった。

今だって多少分野は違えど、大した差なんてないはずなのに。





「…っは、」


苦しげに息を吐き出せば、カカシは満足気に目を細める。

悔しい、悔しい。


(悔しくてたまらない、のに)


やり返せない自分が、情けなくてたまらないのに。





「ホント、素直じゃないよね」

「っ…、誰が…っ」

「声、我慢しなくていいのに」

「…はっ…ぁ、」


必死に唇を噛み締める私を、面白がるように、ゆっくりと。

いつまでも懲りずに意地を張る私を、カカシは飽きずに攻め続ける。


「ま、すぐに楽にしてあげるよ」


楽しそうにそう言うカカシに、結局私は勝てないんだろう。

体中が強ばるような刺激に、今日も声にならない声が上がる。






















勝てないこと

(ホントお前、意地張るくせに結局最後はイイ声出すよね)
(っ、うるさい…!!)


―――――――――――――――――――

カカシさん夢、何気に初でした。
ってか初でこれってどーよ、

管理人の中での“カカシさんとヒロイン像”はこれが理想です。(変態)

こういう雰囲気の兄さんを書けないのが(管理人的に)一番痛い。
あああ兄さああん


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