BOOK

□ギリギリでも、じゃなくても
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夏目がヘアピンに自分の小説の体位をさせようとしている。

ヘアピンを床に(無理矢理)座らせた後、頬を染めながら

「そして秀が後ろから…」
なんて言ってきやがった。

「お前Gペンで刺されたいのか」

脅しはしたがそんなんで引き下がる女な訳はなく
「俺だってギリギリなのに付き合ってられるか」
とダメ押しをかけると

「それはギリギリじゃなかったら是非健くんとやりたかったと取っていいのよね!?」

…。

非常に幸福な脳みそのつくりで結構なことだ。

「黙れ丸ペンで刺すぞ
汚超腐人が」


数十分後

会長は外の空気を吸いに廊下へ。
ヘアピンは会長にくっついていった。
南はトイレ。

今この生徒会室は俺と夏目の二人きりである。

締切りに間に合うようにと必死で原稿を仕上げる夏目。
その目は真剣そのものだ。

ふと意地悪をしたくなった。
―これだから鬼畜だのなんだのと言われるのか、と思ったけどこの衝動は抑えられそうにない。


自分の作業を中断して夏目の出来上がった原稿を読む。
夏目は俺に気づかない
パラパラと原稿を捲るとようやくお目当てのページへ。
それはあの体位のページだった。
やっぱり、際どい。
何回かこいつの作品を読んだことがあるがBLの面白さはさっぱり理解できない。


夏目の原稿を十分に読んでから俺は夏目の耳元で囁いた。

「お前だったらギリギリじゃなかったらやりたいけどな、この体位」

勿論、今でもやりたいのはやまやまだが。

そう付け加えると
夏目の顔は一瞬で赤く染まった。


その反応に満足して俺はまたペンを滑らせる。

今日は、はかどりそうだ。


生徒会室前

秀が夏目に囁いて、そのあと顔を真っ赤にする夏目を三人は見つめていた。

(え…ええええ!夏目さんと秀ってそういう関係だったんですか!?)
(せ、生徒会長の私になんの許可もなしとは…け、けしからん!)
(きゃー!もう次の本はこれで決まりっ!…このあと二人は激しくお互いの唇を貪り合い…ぶつぶつ)
(南さん、帰ってきて下さい!南さん!)

入るタイミングを決めかねている三人を他所に秀の原稿は驚くほど進み、夏目はというと…。

まだ、放心状態だった。





はい、秀→夏です。秀は廊下の三人の存在に気づいてるんですね、本当は。で、わざとやっていると。
ていうかキャラ崩壊しまくりですねw
南さんも時期的に考えるとハッチャケ過ぎ。
ごめんなさい!
でもこういうの好きです。

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