奇跡と運命book
□森と男一人
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ベルは目の前にいる敵にシュッとナイフを投げる。
ズシャ!
目の前の敵は声をあげることもなくその場に倒れた。
「ししっ♪任務完了」
今回の任務はスクアーロと2人であるファミリーの破滅。
任務はほぼ完了し、今は逃げてしまった敵達を追いかけるため、ベルとスクアーロは二手に分かれていた。
ベルは北へ、スクアーロは西へ向かった。
「……ン?」
すぐ近くで、人の声がした。
ベルはまだ敵が残っていたかと思い、気配を消しながら声のする方を見る。
「っ、あいつって……」
ベルは耳に付けている無線機に手を伸ばす。
つけたときの違和感が無く、使いやすいので少しだけこの無線機を気にいっていた。
しかしこれを作ったのがルッスーリアと聞いた時は壊しそうになったが。
ピッ
「隊ちょ「ゔお゙ぉい!!ベル!何無線切ってんだあ!!」…うるせー」
鼓膜が破れるほどの声が自分の耳に直接響く。
ベルはこの声を聞きたくなかったため、無線を切っていた。
「…なー、王子面白いもん見つけたんだけど」
「ああ゙?面白いもんだぁ?」
スクアーロはベルの言葉に興味を示した。
「女2人と男1人。なんか話してんだけど殺していい?」
「止めろベル、任務に関係ない奴だったら面倒な事になるぞお」
殺しを否定されたベルはししっ、と笑う。
「冗談だっての。でもさー男の方、王子どっかで見たことあンだよなぁ」
「…誰だぁ、そいつは。」
「名前までは知んね―けど確か最近話題になった奴だったような気がすっけど。」
隊長なら分かんじゃね、と無責任なことを言うベルの言葉にスクアーロは舌打ちをする。
「…すぐそっちに向かう、そいつら見張っとけぇ」
はいはい、と軽く返事すると、ブツリ、と無線機が切れる音がした。
「……」
ベルは視線を女2人と男1人の方へと向ける。
ショートヘアの女が男に向かって何か話している所だった。
ベルはそのショートヘアの女をずっと見ていた。
2分後、スクアーロはベルの元へとたどり着いた。