白き雪の結晶book
□転入生
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「10代目!!」
「うわぁ!」
4限の授業が終わると獄寺君は真っ先に俺の机にきた。
獄寺君の声を聞いてこちらを見るクラスメイトの視線が少しだけ痛い。
「あっ、申し訳ありません10代目!驚かせてしまって…」
「い、いやいいよ大丈夫…。それより…どうしたの?獄寺君」
そう聞くと獄寺君はチラリと俺の隣の真冬の席を見る。
「真冬を探しているの?」と聞けば少し言葉をためてから「…はい、そうです……」と返ってくる。
「真冬なら授業が終わった途端に教室から出て行ったよ」
「そ、そうですか…」
「…あ、獄寺君。今日も屋上で…」
「なー、今日も屋上で食べるんだよな?」
俺の言葉を遮って後ろから声をかけてきたのは弁当を片手に持った山本だった。
獄寺君の目が山本に向けられる。
「おい山本、せっかく10代目が話していらっしゃるのにお前は…」
「獄寺君!大丈夫だから、俺も今同じ事言おうとしてたから!!」
だからそのダイナマイトをしまって!!
そう思いながら止めに入れば獄寺君は「10代目がそうおっしゃるなら…」とダイナマイトを片付けてくれた。
よ、よかった…。
「んじゃ、屋上行こうぜ」
「そ、そうだね、獄寺君行こう」
「はい!分かりました10代目!!」
*
屋上へと続くドアの前、ドアノブを掴もうとする手が止まる。
「…あれ?」
「誰かいますね」
「うん…誰だろう」
「この声は小僧じゃねえか?」
ドアに耳を傾けると確かに向こうからリボーンの声が聞こえてきた。他にも誰か居るみたいだ。
この声は…。
「……真冬?」
確証は無かった。けどなんだか真冬の声がしたような気がした。
すると獄寺君はいきなり屋上のドアを開けた。
バン!
「えっ!獄寺く…」
『あ、ツナ』
「!!」
『こんなところでどうしたの?』
ドアの向こうには真冬が立っていた。
2013 3.17 22:49