遥かなる時

□共同生活3
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「蜜虫、 深雪はどうした?」
「はい。気分が優れないそうで、お部屋でお食べになるそうです。」
蜜虫はそう言うと、 深雪のために用意したお膳を持ち上げた。
「そうか…一人で食べる食事はこんなにも味気ないものだったとはな…」
主人の寂しげな呟きを聞き、切なげに晴明を見つめたのだった。

「 深雪様、お食事お持ちいたしました。 」
そう言うと襖が開き蜜虫が入ってきた。
「ありがとう」
「!? 深雪様、目が腫れておいでです。食べ終わりましたら冷やしましょう。 」
蜜虫は私の顔を見て驚いたあと、そう言うと部屋の外へ出ていってしまった。

(そんなに腫れてるんだ…)
確かに瞼が重くて膨らんでるような圧迫感がある。
(取り敢えず早く食べなきゃ…)
私はあまり食欲がなかったが、蜜虫にもこれ以上迷惑はかけられないと思い必死に口を、動かしたのだった。
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