遥かなる時

□共同生活2
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「暇だ…」
ご飯を食べてしまえば、はっきりいってここですることは無くなってしまう。
庭の手入れをしようにも、晴明様が考えて作った庭だと聞いてしまえば、無闇にてを出すことは出来ない。
蜜虫が話し相手にはなってくれたが、彼女にも仕事がある。

「あれ?そう言えば、香は?何処に行ったの?」
今日起きてから一度も顔を見ていないことを思い出し、蜜虫に聞いてみた。
「香は晴明様の仕事を手伝うために、陰陽寮へ出向いています。」
蜜虫は、自分の仕事の手を止めて答えてくれた。
「そっか、香は式神だもんね…」
主人の仕事の手伝いに行ったとしても何ら不思議はない。

その時だった。
「晴明、居るか?」
博雅さんの声がお屋敷の入り口から聞こえてきた。
「博雅さん?」
私は立ち上がり入り口に向かうと
「晴明様なら、陰陽寮に出仕しましたよ。」
博雅さんに挨拶したあと答えた。
「ふぅむ。参ったな…」
博雅さんは首の後ろを掻きながら眉根を寄せている。
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