遥かなる時

□共同生活3
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(頭が痛くて重い…)
昨日泣きながら寝たせいか、こめかみがズキズキと痛む。
(あんまり眠れなかった…)
ここに来てからずっと晴明様は私を抱き締め寝てくれていた。
それに慣れてしまったのか、昨日は何度も起きてしまい、結局疲れは取れなかった。

「 深雪様、蜜虫でございます。朝食いかがしましょう? 」
(確か今日は晴明様はお休みっていってたよね…ってことは私も宮へは行かないってことかな…)
そう考え、蜜虫が私に聞いているのは晴明様と一緒に朝食を食べるかどうか、ということだと分かった。
(会いたいけど…)
そっと部屋に置いてある鏡を見ると明らかに寝不足の自分の顔が写った。
(こんな顔見せたら心配させちゃうかもしれない。それに一緒に食べてたら…晴明様の時間削っちゃうよね…)
昨日、甘えないようにしようと決意した途端、いろんなことが甘えているように思えてならなくなってしまった。

「蜜虫、ごめん…ちょっと具合悪いから部屋に運んでほしいんだけど…いいかなぁ?」
「分かりました。お薬湯もお持ちいたしますね。」
「ありがとう…ごめんね…」
「いえ、少々お待ちを」
蜜虫が去っていく足音が聞こえた。
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