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□12月27日
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「雪男!燐!
誕生日おめでとうーー!!!!」
午前0時00分。
いつもなら布団の中に入っているであろう時間に、旧男子寮602号室にその声は響きわたった。
「絶対に起きておいてね!!」と言われたのは数時間前。
案の定、普段は似ても似つかない二人が双子ということを思い出させるくらい同じように驚いていた。
「・・・て、みんなまで!?」
数秒の沈黙の後に口を開いたのは燐で、名前の後ろにパーティー用の色とりどりな三角帽をかぶっている塾生をみて思わず声をだしてしまった。
「みんなに頼んで来てもらったの!」
「あ、ありがとう名前。」
まだ脳が状況についていけていない中、ドヤァ!!・・・とでもいうような効果音がつきそうな、いかにも鼻高々という顔をした名前にお礼を言った。
「ふふふ、どういたしまして。
ちゃんとケーキも用意してあるから!」
と言うと同時に、宝、出雲、しえみの順にそれぞれ違う種類のケーキが運ばれてきた。
「私の手作りだよ!
3人とも、ありがとうね!」
「ううん、全然平気だよ!」
「お礼なんていらないわよ」
『チッ、めんどくせえ仕事おしつけやがって』
と、それぞれ返事を返した。
「みんな、ほんとにサンキュ!」
もう場になじんでいる燐が、いつものはじけるような笑顔でお礼を言う。
「名前の頼みやから、しゃーなしに来たんや。」
「んっふっふー、坊、そないなことゆうて、結構ノリノリやったやんか」
「な、何アホなことゆうとんねん!そんな訳あるか!」
「そっか・・・ありがとな!勝呂!」
「せやからちゃうてゆうとるやろがッッ!!」
「はいはい、落ち着いて。
んじゃ、みんな、プレゼントよーい!」
その声を合図に、みんな一斉にどこからかプレゼントをだし、
「せーーのっ!!」
「「誕生日おめでとう!」」
というと、パンパンッ!!とクラッカーをならした。
「よし、んじゃ、ケーキ食べますか!」
名前の声と共に、真夜中の誕生日会は始まった。