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□Child Panic!!
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『っっ…う…りゅ…。ふ…ふどーさぁん…』


鬼道「っ!!?な、泣くな陽太!」




Child Panic!!







『…ふどーさんどこか いくです?』

不動「……着いてくるなよ」


昼寝から目覚めた陽太は不思議そうに首を傾げる。
不動はそんな陽太に釘を刺し、部屋のドアに手をかけた。


『りゅ…。わかりましたー、おるすばんしてますね〜』

まだ眠い目を擦り、夢心地の状態で懸命に不動を見送る。
その紅葉のような手を振る姿は何ともいじらしい。



『…いってらっしゃい、でしゅ…』
眠さで舌足らずになりつつ、その言葉を言うと、陽太はパタリと布団に眠りこけた。



――--……‥






『……ふど』
再び眠りから覚めた陽太は、一番に大好きな不動に挨拶をしようと口を開いた。がしかし、不動は先程出掛けてしまい、そこには居ない。

陽太はそれを思い出し、トボトボと布団を簡単に畳む。


現時刻2時を少し過ぎたところ。
不動が帰ってくるまで4時間もある。

陽太は仕方なしに日課の言葉練習をすることにした。






“りんご”『りんごー』

“ゴリラ”『ごーり…ら』

“ラッコ”『らっこ』



“こんにちは”『こんにゃ…』


――“こんにちは”だろーが



『……ふどーさん』
普段ならば、間違えたところですぐに言い直してくれるのだが、今はその人が居ないのだ。




カチャ…

するとタイミングよく後ろのドアが開いた。
陽太は瞳を輝かせ、振り向いた。



『ふどーさんおかえ――』

鬼道「不動、この作戦なんだが……ん?陽太?」


残念ながら入ってきたのは、不動と作戦を練る為にやって来た鬼道だった。

しかし一度期待を持ってしまった後では、それが孤独感に拍車を掛けてしまう。

そしてその結果、陽太は我慢していた寂しさがフツフツとこみ上げ、そして…




『っっ…う…りゅ…。ふ…ふどーさぁん…』


鬼道「っ!!?な、泣くな陽太!」

泣き出してしまった陽太に、鬼道が慌てて駆け寄り、その小さな体を抱き上げる。



『うぁぁぁっっ!!!ふどーさん!!』

鬼道「そ、そうか不動が居なくて寂しいんだな。なら部屋に籠ってないで、皆が居る広間に行こう!」

言うのが早いか、鬼道は陽太を抱えて広間へ走った。





―――---……‥

――--…‥




鬼道「す、すまない皆!手を貸してくれないかっ!?」

そんな台詞を言いながら、鬼道は広間に入って来た。

メンバー達は何事かと思ったが、腕の中で泣きじゃくる陽太を見て納得した。




『…ぅぁぁ――』


円堂「どうしたんだよ陽太」

鬼道「不動が居なくて寂しいようだ…」
鬼道は円堂に陽太を渡すと、事情を話す。




風丸「ほら陽太。チーンってしてみろ。鼻拭いてやるから」

ティッシュを手に、風丸は陽太に促した。
陽太はぐずる事なく風丸に大人しく鼻をかんで貰った。



『りゅ〜…、ふどーさーん…』

しかし次々流れてくる涙はキリがない。
タオルを使いその涙を拭っていた風丸は眉を寄せて言う。



風丸「これは陽太を慰めるしか方法がないな」


こうして、不動が帰って来るまでの約4時間。イナズマジャパンによる悪戦苦闘な子守りが幕を開けた。

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