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□傍に在るモノ
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“無人島に持って行くとしたら、何を持って行く?”













倉間「――は?なんだよ浜野、いきなり」


浜野「だからさー。無人島に持って行くとしたら何を持って行く?…って話」


唐突な浜野の質問に、倉間は怪訝な態度を取る。
そんな倉間に、浜野は冒頭の台詞をそのまま繰り返した。




速水「俺は――、…そうですねー。やっぱり“火”ですかねー?調理をするにも、暖を取るにも、やっぱり“火”が要りますし」


浜野「オレは釣竿だな〜。やっぱ、海と言ったら釣りっしょ」


速水「…で、でも、“火”が無い事には釣った魚も食べれませんよー…?」


浜野「うーん。じゃあ速水と一緒に無人島に行けば問題無いんじゃね?」


速水「俺と一緒に…って、そんな都合良くいきませんよー…」


目前で繰り広げられる友人達の会話を半目で見ていた倉間だったが、ふと自分の答えを探してみる。


速水のように、やはり“火”だろうか?


はたまた、現代っ子には欠かせない通信機器か?
…電波が立つかは判らないが。



それとも、型破りだがサッカーボールか?
(……オレも相当のサッカーバカだな)











浜野「んじゃ、倉間はどうよ?お前は何持ってく?」


倉間「すぐには思い付かねーよ。大体、選択肢が多すぎるだろ、それ」


速水「…ですよねー。俺も“火”って言いましたけど、やっぱりいっその事、食糧も持って行きたいですし」


浜野「ちゅーか、悩むくらいなら全部持ってけば良くね?」


速水「……それ、もう質問になってませんよー。あくまで選択出来るのは1つだけですから」


浜野「うーん。じゃあ他の部員にも聞いてみっかなー」



浜野の言葉に、一同は部員らが何て答えるか…という話になった。





浜野「――天馬は絶対サッカーボールだよなー」


速水「じゃあ、神童君は…――」


浜野「楽譜じゃね?」


倉間「……いや、それ持って行っても意味無ーだろ」




和気あいあいとした雰囲気にも区切りがつく頃、休み時間の終わりを告げるチャイムが辺りに響いた。

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