マギ長編

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アリババ(なんだ!?アラジンの杖に光の粒が集まってゆく…!)


アリババは、普段のアラジンからは想像も出来ない、勇ましい姿に息を呑む。



ジャミル「ルフ達の使役…、やはり君が【マギ】なんだね!!?」

ジャミルは欲しかった玩具を見つけた子供のようにハシャギ、モルジアナに命令する。


ジャミル「――奴隷こそ僕の“力”戦って強さを見せつけろ!!」

命を受けたモルジアナは鋭い目付きでアラジンを見る。



――【マギ】よ…君がいけないんだよ…?

なかなか僕を認めようとしないから…。



――君は、モルジアナには勝てない…!





ジャミル「さぁ【マギ】よ!!君も哀れなライオンになりたくなければっ!」

――大人しく僕の軍門に!!



ドォン!!


刹那、アラジンの杖から、数多の光の粒が発せられた。


アラジン「ごめんねお姉さん。少しだけそこにいて」

モルジアナは光の粒によって、天井近くの柱に張り付けられた。

ジャミルはアラジンの実力を痛感し、腰を抜かしてしまった。



アラジン「笛、返して」

彼の言葉に、ジャミルは恐る恐る笛を差し出した。

そして、アラジンは振り返る事無くジャミルから離れて行く。



ジャミル「――待ってくれ!!話が違うじゃないか!!」

ジャミルは必死になって説明し出した。
ジャミルはずっと【マギ】に選ばれる日を待っていた。

【上】に伸し上がると言う野心を買われ、【ある組織】によって作り出された「器」だったとも知らずに…。



ジャミル「そうだ、僕はすごい。僕は偉い。僕はできる男だ!
――だから僕を…王様に!!!」




アラジン「――王様…。なんの事かわかんないけど…僕は…


お兄さんの事、そんな大した人じゃないと思うよ」


全てを見透かしたような瞳は、ジャミルの心を容易く砕き去った。









アリババ「ハハッ…」

『…すごいな、アラジンは。あんな小さな子供だってのに、この中の誰よりも聡明で――強い…』





アラジン「大丈夫かい?二人共」


アリババ「大丈夫も何もねーよ!スゲーな!さっきのはなんだ?精霊か?魔法使いなのか?」

アラジンを絶賛し、持て囃すアリババ。
そんな彼にアラジンは笑みを浮かべ、言う。


アラジン「何って…僕は君やキリくんと【迷宮攻略】に来た、君の友達さ!」

アラジンの飾らない、真っ直ぐな言葉に、アリババもキリフォードも目を丸くした。



アラジン「さぁ!冒険の続きをしようよ。【宝物庫】を探そう!」

アラジンはアリババに肩を貸し、立ち上がらせる。


すると、アラジンの笛から一筋の光が伸び、部屋の最奥に置かれた壺と共鳴する。





壺に近付き、アラジンがそれに触れた。




バガァァン!!

その瞬間、部屋の中あった全ての置物が宝物へと変わる。


それにも度肝を抜かれたが、面々が最も目を見張ったのは、目前に現れた塔を突き抜ける程の……






「――誰だ?王になるのは…?」


巨躯な【ジン】だった。

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