give&take

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お正月の話



〜不動宅〜


「明けましておめでとう御座います。」

「あけましておめでとう!金くれ。」

「あけましておめでとうございます!」

「……………。」


お正月、新年最初の日。そんなめでたい日に、不動の目の前には陽太の後輩の双羅一茶と魔王がいた。


「魔王だなんて酷いなぁ……僕はわざわざ山奥から出て来んだよ。久しぶりに会うのに……あ、陽太くんこれ御年玉、そんなに入ってないけど。はい、明王くんにも。」

「ありがとうございます!」

「……神風さん、そろそろ子供扱いするのやめてくれませんか?」


御年玉を受け取った陽太は喜んで受け取るが不動の顔は複雑そうに歪む。それもそうだろう、今年で25歳にもなっていまだに昴に子供扱いされるのが不服なのだろう。


「何言ってるんだい?僕にとって年下のイナズマジャパンの皆はいつまでたっても子供だよ!」

「なんで胸張ってんですか!?」

「仕方ないからこれもあげるよ。」


するとどこからともなく昴はスイカを取り出した。


「どっから出したんだよ!?ってか今の時期ってスイカ採れるのかよ!?」

「気合いだよ。」

「無理に決まってんだろ!!」


ドヤ顔で親指を立てる昴に不動はたまらなくなってツッコミを入れる。


「不動さん、あけましておめでとう御座います。」

「お、おう……おめでとう。」


一茶は礼儀正しくツッコミに必死な不動に一礼した。
「礼儀が正し過ぎて逆に怖くなるよな、コイツ」と不動は思ったが胸にしまう事にした。


「一茶に礼儀を教えたのは僕だよ。それに、一茶は優しくていい子だから。失礼なことなんてするわけないだろ?あと、一茶は怖くないよ。」

「何人の心を読んでるんですか!?」


「やだな、人の心なんて読めるわけないだろ?」

「読めるじゃないですか、現在進行形で。」


「一茶、悪いけど初詣は陽太くんと行ってきてくれないか?」

「昴さんは?」

「……陽太さん、行きましょう。」

「え?」

「先生と不動さんなら後で来てくれますから。ほら、早く。」


戸惑う陽太を一茶は背中を押して神社の方へと向かう。






「「行ってらっしゃい。」」

「「行ってきます!」」


二人の背中を見つめながら昴と不動は手を振った。









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