give&take

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その夜。昴は雷雷軒にやって来ていた。


実は先に円堂と鬼道が来ていたが、話が終わったようで、今はこの場にいない。


響木「――で、お前はどうしたんだ?」


昴「選手の情報が知りたくて…特に明王君、征矢君、虎丸君の情報が欲しいです」


響木「…その三人を選んだ理由は?」


昴「彼らが今後の鍵になると思ったからです」

響木「ほう…」


昴「特に明王君、彼は理解する事が必要な選手です…それに目が、昔の僕にそっくりで…ほっとけない」


響木「そうだな、わかった…教えよう…」


昴「ありがとうございます!」





―――---……‥





響木「――と、まぁ大方そんなところだ」


昴「なるほど…。あ、あと1つ良いですか?あの明王君と一緒にいた子供の事なんですが…」


昴は激辛ラーメンを食べながら切り出すと、同時に店の扉が開いた。



響木「おお、丁度その子供が帰ってきたな」


指摘を受け出入口の方に目をやると、目を細めている不動の後ろに、丸く目を見開いている陽太がいた。




不動「……」

不動は無言で奥の部屋へと入っていき、陽太もあとに続くように付いて行く。

しかし、陽太は急に立ち止まり、こちらに駆けてきた。



昴「やぁ、こんばんは。また会ったね」

そう言いながら、昴は陽太の頭を撫でてやる。

陽太はスケッチブックにペンを走らせ、昴に見せた。


陽太「“おかし ありがとうございました”」


昴「うん。おいしかった?」

陽太はコクリと頷いた。





響木「神風、そいつは陽太だ。この子は赤ん坊の時に母親に棄てられ、一ヶ月前、不動によって救われた子供だ。陽太という名もヤツがつけた」


昴「そうか。だから君は明王君の事が大好きなんだね」

優しい笑みを浮かべて言うと、陽太の表情が明るくなり、にぱっと満面の笑みを見せた。


昴「ふふ、……可愛いなぁ」
陽太の笑顔を見た昴は、子供好きな事もあり、頬を緩めた。



ふと陽太は隣の席に座り、昴の食べていたラーメンを覗き込んだ。
指をさし、首を傾げる様子から、これは何?と尋ねているのだろう。


昴「……食べてみるかい?」


響木「お、おい神風っ!!?」


陽太「にーっ!」


止める響木を無視し、昴は麺を一本陽太の口に運んだ。
……そして当然。


陽太「〜〜ッ%#*¥@」

陽太は声にならない悲鳴を上げた。



そしてこれが、陽太の辛いものに対する苦手意識の原因だったり…なかったり…。

















陽太の認識
「やさしいくて、おかしをくれるいい人!でもピリピリするのは イヤですぅ…(泣)」

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