□第二話
1ページ/5ページ




―――--……‥

―--…‥













まっくろな おソラから、あめがポツポツふってきた。


――ここは……?





「……ヨウタ」


――おかあ…さん?



「……仕方がないの、…こうするしかないの。解ってくれるわよね、ヨウタ…?」


――? どうしたの、おかあさん。どうしてそんなカオしてるの?




ピカァ…ッ





『Σ(ビクッ)……ぅ、うぇぇえん…』


……お…かあさん、ゴロゴロさんが鳴ってるよ?

「…………」

…ねぇ、おウチに早くかえろ?


「…………」

おかあさん…?今日のおかあさん、なんかヘンだよ?





「……それじゃあね、ヨウタ」

おかあ…さん?どこいくの?
ボクをおいていかないで…!!


おかあさんはボクがぬれないように、カサをおいてってくれた。




……おかあさん!カサなんていらない!
おかあさん、ボクもいっしょにつれてってよ!












―――--……‥



―--…‥


--…




……あぁ、そっか。
これは…あの日のボクだ。











『うぇぇえん…――』


ずっとずっと…お月さまを7かいぐらい見た。
それくらいボクは、なきつづけてた。



8かい目のお月さまを見たころに、ボクはなかなくなった。


こえが、なみだが、出なくなった。





―――--……‥

―--…‥





もう、なんかい、お月さまを見たのかわからない。




――おなかすいたよ…、のどがかわいたよ…、さみしい…、さむい…、こわい…、






――あいたいよ、おかあさん…

















キラッ……


――?


まっくらだった目のまえに、ひとりのお兄ちゃんが出てきた。




――だぁれ?お兄ちゃん…。





カオが見えない…。

でも、わらってる…。


やさしい、やさしい、わらい方。












    ..
「――陽太!」


『――!』
あったかい……。

お兄ちゃんは手を、ボクの手をひいて、ヒカリの中へつれてってくれた。













あったかい手…。



ボク……、



この手をしってる気がする…。












……クルマにぶつかりそうになったとき、ボクをひっぱってくれた手だ。











ボクのココロにふっていた あめは、いつのまにか、ヒラヒラとゆきになってた。


_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ