見習い天使の大冒険

□first kiss
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ピッコロの顔がすっっと離れると背中に手を回されて、頭を撫でると私の身体を包み込む様に優しく抱き締めた





実感がまるでない私は呆然とピッコロの紫の胴着を見つめていた



自然と押し付けられた顔はピッコロの匂いと体温でじわじわと現実に戻されいく

身体中の熱が顔に集中しているんじゃないか?と思える程に熱くてぶっ倒れそうになる


でも、ピッコロに抱き締められてるから倒れる事はないと思う










ピ「・・・・ラン」







何も話さないランを不思議に思い、顔を覗き込むも辺りが暗いため彼女の様子が分からない。

仕方が無いと、ピッコロはランを抱き上げて彼女の顔を覗き込んだ

口に握りこぶしを作りボソボソと聞こえてくるランの声にならない声がピッコロの耳に入る







キスされた・・・キスされた・・・


kiss・・・・きす・・・キス・・・・!!


キスされたぁああああああ;







それまで冷静であった、ピッコロもそればかりを連呼されると流石に恥ずかしいだろう。








ピ「・・・おぃ・・・他に言う事はないのか?;」








ピッコロの言葉と同時にランの身体がブルブルと震え出す







ラン『・・・・ピッコロの・・・ピッコロの・・・・』









プチン






ラン『ピッコロの変態大魔王!!!!###』









恥ずかしくて、どうしたらいいか分からなくて、ピッコロの緑の地肌が見えている胸板をポカスカポカスカと叩くも、ピッコロは痛くも痒くもない様でただ、じっと私の行動を可笑しげに見ている




すると、ピッコロは何を思ったのか・・・。









チュ








ラン『・・・・・・』









今度は短いリップ音を経ててランの唇にキスを落とすと同時にランの身体が硬直する







私の・・・


私のファーストキッスが・・・


ああああぁああああ;









ラン『・・・・アタシの・・・ファーストキッスを・・・返せ!!!この大馬鹿変態緑のスケベ!!!!###』









一度ならず、二度も奪うなんて!!!


しかも、行き成りだし;




杖を装備したランにピッコロは慌てて言葉をかける









ピ「まて!其れを打てばこの辺一帯のホタルが全滅するぞ;」




ラン『・・・・ヒック・・・フック・・・うわーーーーーん;』



ピ「なんだ?何故泣く?;」








大声を上げワンワンと泣き出したランにピッコロも些かショックだったのだろう、力が抜けて抱き上げていたランを落っことしそうになるも僅かな気力で耐えていた








ラン『ふぇーーーん;』









酷いよ・・・。


酷いよ;


あたしが大切にしていたファーストキッスを


こんな変態大魔王に奪われるなんて・・・



もう・・・










ラン『お嫁にいけない!!!!##』



ピ「・・・ならば好都合だ」







好都合・・・。


それって・・・嫁に行かないで


此処に居ろって事?


ってことは・・・。








ラン『生涯、独りで寂しく老後を過ごせ!って言ってるのね!!?・・・・フワーーーーーン;』








乙女のキスを返せ!!!


怒りを込めてポカポカとピッコロの胸元を再び叩きだした


でも、やっぱり・・・全然痛くないみたいで余裕の顔をしている







ピ「・・・・老後まで俺が面倒をみてやる」






安心しろ・・・と付け足して

私の身体を優しく抱き締めてくれた






ラン『・・・ヒック;』








このラン・・・一生の不覚


そう呟いて、散々泣いた為か疲れた身体をピッコロに預けた










ピ「お前・・・随分と酷い事を言いやがるな;」




ラン『大魔王に言われたくないもん』





でも・・・。


うん・・・。


やっぱり嬉しいと想う気持ちの方が大きいのはピッコロには秘密にしてやるんだ・・・



でも・・・。


ピッコロは心が読めちゃうから意味がないかな?





ドキドキする胸の音が耳の良いピッコロに聞かれそうでピッコロの胸の中で小さくなっていた











ピ「・・・・聞かなかった事にしてやる」



ラン『一々言うな!緑鬼!』



ピ「・・・・口を塞ぐぞ?」



ラン『・・・うっ///』







顔をずらして、ピッコロの表情を横目で様子を見るとピッコロも私の顔を横目で見ている


ぶつかる視線に恥ずかしいけど、目が逸らせなくてピッコロの胴着を握る手に力が入った









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