私とバスケ部

□私と渉
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「綾、今日暇?他のバスケ部のメンバーと喋るんだけど。」

と。泰蔵に誘われて、来たある日の放課後

『……で、泰蔵はどこ行ったよ。誘った人がいないとかそゆことある?』

「泰蔵なら、テニス部とテニスしてるよ。」

ふと聞こえた声に振り向くと、バスケ部のモテ男、望月渉がいた

『1人で?』

「根津とあと数人引連れて」

『誘ったんならそこにいてよ、って本人じゃない人に言っても意味ないんだけどー。もっちーも行くの?』

「行かないよ。ていうか、行ったら藤咲さん1人になっちゃうでしょ?」

『さすが優男。モテる男は違うね。今の気の持ち用を泰蔵に教えたいわ。』

「持ち上げられても何も出ないよ。」

『褒めてるんだから素直に喜んでよ。』

「どーも。」

『1対1で話すの初めてじゃない?』

「そうだねー。今まで泰蔵か恵一いたし。」

『どう?』

「何が?」

『好きな子できた?』

「それ俺に聞いちゃうの?」

『杏奈に振られた男にってこと?』

「そういうガツガツした質問あんまり好きじゃない。」

『そっかー……ごめんね。』

「いきなり謝られると調子狂う。」

『だって、好きじゃないって言うからー。』

「そういう素直なとこ。泰蔵が好きになったのかもね。分かる。」

『あたしに惚れられても答えられないよ?』

「惚れたとは言ってない。」

『あれ。』

「でも、そうだなー。恵一を振り向かせるには、物足りないと思うけど。」

『え、ちょ、ま、……なんで知ってるの?!』

「俺は泰蔵から。まぁ、藤咲さんの場合は見てもあんまり分からないからねー。」

『表に出さないように隠してたのに!バレとる!!……よし、泰蔵を締めよう。』

「こわ、」

『えーいや、当たり前でしょ。乙女の秘密バラしてくれちゃってるんだから。』

「乙女?」

『そこ、疑問持たない!』

「泰蔵相手でも面白かったから、猫かぶってんのかと思ったけど。そうじゃないんだね。普通に話してて面白いし、楽しい。」

『あ、ありがとう……。』

「え、何照れてるの?貴重。」

『そりゃ相手が優男でモテ男なら照れるんじゃないですかね。』

「なにそれ。」

『優男のモテ男って自覚ないの?それか自覚あるのに、自覚してないってしてるの?それは、さすがに引くんだけど。』

「ひどいな。」

『元気だしなよ。杏奈には夏樹だっただけでしょ。あんなに純粋な子は他ではあまり見かけたことないけど、もっちーに気がある子はきっと星の数ほどいるだろうし。そこから、惹かれる子見つけたらいいよ。あたしの性格で見極めたげるからそん時は頼って?』

「期待しとく。」

『うん、待ってる。あ、ねえ。今日は部活自体はないの?』

「この後打ち上げ的なのはあるよ。多分泰蔵あたりがプレーし出すから、体育館許可もらったんだけど戻ってこないね。」

『体育館で飲み食いしていいの?』

「特例だってさ。バスケ部大体特例なんだけどね。」

『特例男のせいだな。そりゃ。泰蔵とか根津とか。』

「間違いない。」

根津「あっちーーー!!」

「あ、帰ってきた。」

根津「あれ、藤咲じゃん。なんでここいんの?」

『後ろにいる人に聞いてみたら?』

根津「うしろ……?あぁ、泰蔵か。」

泰蔵「悪かった!」

『なに?誘った人って、頭どうなってんの?忘れてたわけ?え?』

泰蔵「忘れてたわけじゃないんだけど。」

『何?』

泰蔵「テニス部から誘い受けて。」

『泰蔵が残るっていう選択肢はなかったの?』

泰蔵「行きたかった……から。その代わり!渉に待っててもらって『話するって言ったの誰。』ほんとごめん。悪かった!」

『じゃあ。今度クレープ奢って。』

泰蔵「お、おう。」

『だったら、許す。』

泰蔵「全員揃ったな、てことで。北陸大会お疲れ!!」

「「「「お疲れ様でした!!」」」」


そして、打ち上げが始まった




おまけ



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