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□その原動力は
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誰にだって原動力となるものがある。
そしてきっと
そのほとんどは『 』
―本能寺学園生徒会室―
「はぁー......」
幸せも吹き飛ぶような溜息が生徒会室に響く。
「・・・猿投山は一体なぜ落ち込んでいるのだ。」
「またヘマを起こして皐月様にでも怒られたんじゃないか。」
「たぶん違うわね。」
そう言うと
蛇崩は猿投山の前に立った。
「あの一つ星の生徒ならさっき二階の廊下で見たわよ。」
「!!!」
その一言を聞くと、
猿投山は目にも止まらぬ速さで生徒会室を飛び出した。
「蛇崩、あの生徒とは一体誰だ?」
「んー、お猿さんの充電器ってとこかしら」
「「?」」
―二階廊下―
「借りたい本あって良かった〜」
図書室から出る一人の少女。
「山田!!!!!」
廊下のはるか向こうから走ってくる人影、
「えっ、だれ...」
人を確認する前に抱きしめられた。
「はー.....会いたかった...」
「・・・さささささ猿投山先輩!!??」
突然の事に戸惑い、声が裏返った。
「最近ずっと会ってなかった....」
「あ、そういえば・・・
でも会っていきなり抱きしめてくるのはビックリしますよ・・・」
ポンポンと猿投山の背中をたたく。
「うぅ、悪い・・・」
そう言うと少女から離れて満面の笑みを浮かべた。
「ありがとな!山田!」
「どういたしまして。」
― 一方、陰から見ていた四天王3人―
「あの女生徒は誰だ」
「二年の花子山田よ」
「猿投山とはどういう関係だ?」
「別に付き合ってるわけじゃないでしょうけど。」
蛇崩れはニヤッと笑った。
「言ったでしょ?充電器だって。」
その原動力はあなたからの『愛』
(君からしかもらえない理由に気づくのは もう少し後のお話)
→あとがき