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□ツン:デレ=6:4
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「赤崎ってツンデレ、ってやつなのかな、」



お昼休憩中の食堂で
私の前に座っていた
世良君が急に言い出した。




「え?赤崎君のどこにデレがあるの?」



ETUの広報部の私は、たまに食堂で選手お一緒にお昼を食べることがある。


「まぁ、ツンツンな奴だけど……たまに口元が緩んでる時ある。」


「あ…俺見たんですけど」



世良君の隣に座っていた椿君がおずおずと話出した。



「一昨日の昼休憩後の練習の時のザキさん……
なんか嬉しそうっだったっていうか、ニヤニヤしてたっていうか……」



(……一昨日の、昼休憩?)




「昨日だって、片付けしてる時ウキウキしてたよなー。」



(昨日の練習後……?)





「もしかして、「おい、何してんだ。」




私が話出そうとした瞬間、
頭上から聞き覚えのある、

なんとも不機嫌な声が降ってきた。



「赤崎!」
「赤崎君!」

((これはツン崎だっ!!))


「ザ、ザザザザキさんっ!!」


「どもりすぎだろ、椿。」



ス、スミマセンっ!

と謝る椿君を横目に、
昨日一昨日にあったことを思い出す。






『あ、赤崎君ちょうど良かった!クッキー作ってきたんだけど、食べる?』


『今練習終わったんだー、おつかれ!』



まさか、


いやまさか、



「何の話してたんスか?」



「赤崎のツンデレ説についてだよ、」


赤崎君はくだらないと言わんばかりにため息をついた。



「どんな話だよ……あ、俺ちょっと山田に用あるんで借りてきます。」


「ちょっ、赤崎君!?」


いきなり腕を引っ張られ、廊下の端のほうまでつれて来られた。


「い、いきなり腕引っ張って!何のよ「これ、やる。」

そう言って赤崎君がポケットから取り出したものは、



「こ、この袋…駅前のケーキ屋さんの!」



「べ、別に変な意味とかじゃなくて、この前のクッキーのお礼だよっ!!」



赤崎君がどもるなんて珍しい……


「わざわざいいのに」

なんて少し笑ってみた。



「……また作ってきたらくれよ。うまかったから。」


さっきの不機嫌な声とは違う、





こんな優しい声で話しかけられたら、



(期待しちゃうじゃんか!)







そこに確かに、デレはあった。



ツン:デレ=6:4



山田限定の4割。





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