頑張れ大石くん

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『ここが私の特等席ー!』


ちょうどいい風当たりのこの場所がお気に入り。日陰になってるしあまり人目に付かないし最高の場所なんだよ。


「いい場所っスね」

『でしょー』


たまにここでサボったりしてるだなんて言えませんよ、ほほほ。

それにしても今日はよく晴れてるなぁ…いいお昼寝日和だよ!


「はい七海、お弁当」

『わー!ありがとう不二くん』

「…っ!?あ、あの…」

「何だい越前」

「二人はどういう関係っスか…」

「……知りたいのかい?」

『あのね、私と不二くんは…』

「あ、いや…!やっぱりいいっス!」

『んー?』


どうしたんだろ、おかしな越前くん。


「不二先輩…目がコワイ」

「越前」

「うっ…(ビクッ)」

『だーめだよ不二くん!いじめるのはよくないよ』

「七海…」

『それより、お弁当食べようよ!ねっ?』


なんか不二くんのまわりに黒いオーラが見えた気がするけど、気のせいかな。


「…あっ、七海ごめん」

『な、何が…?私怒ってな…』

「違う違う、七海の分の飲み物忘れたんだ」

『え、あぁ、気にしなくていいよ、食後に一口もらえれば…』

「………僕が気になる」

『え?』

「なんでもないよ、今買ってくるから」

『あっ…』


行っちゃった…。そんな気つかわなくていいのになぁ。


「露月先輩…」

『ん?』

「だめっスよ、軽い気持ちで回し飲みとかしちゃ」

『…ん、気をつける』


そうか、家族間じゃないしそれに異性同士だもんね。そりゃ気にするか…。


「………あの、」

『何?』

「さっき…泣いたんスか?」

『えっ!?あ、目赤い?』

「いや、もう大丈夫。けど俺が図書室に行ったときは赤かった」

『またお恥ずかしいところを…』

「何かあったの?」

『…………ん、大丈夫』

「ホントに?」

『ん…』

「……」

『…越前くん、君ってば本当鋭いよ』


そんなにじっと見られると心の中まで見られてるみたいで落ち着けないなぁ…。


『本当、もう大丈夫だから…私の思い込みだもん…』

「何があったんスか?」

『別に、何でもな…』

「あっ七海だ、ヤッホー!…って、おチビも一緒かよー」

「俺だけじゃないっスよ」

『うん、不二くんもいるよ』

「そっかそっかー!にぎやかになるね!」


そうだね、菊丸くんが来てから一気ににぎやかになったよ。一人で盛り上がってるし…。それにいつの間にか不二くんの荷物を挟んで私の隣に座ってるし。大石もこっちこいよ!なんて言いながらバシバシ地面を叩いてるし。


……えっ!?大石くん!?


 
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