天使のつばさ

□LESSON.4
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新学期☆
※始業式の次の日



職員室



私は正直焦っていた。
私が遅刻したわけではない。
カリーナはちゃんと時間内に登校した。
忘れ物をしたわけでもない。
勿論日本語がわからないわけでもない。
制服だってちゃんと着れたし、校内で迷っているわけもない。
じゃあなぜか。
目の前にいる生活指導の先生らしいやつ、下山と名乗ったその男は止まることなく話し続ける。
双子など比じゃないくらい喋る。
しかもカリーナがイヤホンをつけて音楽を聴いていることに気づいていないらしい。
なんて注意散漫なんだろう。
と、言う私もガムを噛んでいることは気づかれていないだろう。



「…と、言うわけで“キーンコーン”…じゃぁ行こうか」



タイミングよくチャイムが鳴ってくれた。
聞いちゃいなかったけどよかった。



案内された教室は2人とも一緒だった。
これは学校の対応に感謝だな。
私は大丈夫だけどカリーナは発狂していただろう。



通された教室に入る。



「こちらはイタリアから来た編入生、カル…カレ…「カリーナです」…と、木内…『木内郁美です』…だ」



さっきまであんなにベラベラ喋ってたくせに名前すら覚えていないなんて…。



「…2人の席は後ろだ。皆、彼女たちはイタリアからきたばかりだ、日本語は…」
『私は日本人です。IQだって高い。馬鹿にしないでください』
「…なんだとっ「私も、基本的な会話なら難なく話せます」…仲良くしろよ」



バタンッ



後ろの席に向かって歩いてると、後ろの戸がいきなり開く。
入ってきたのは



「黒川!畑!!またお前らか!!!」



柾輝と六助だった。



『「「「あ…」」」』



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