舞蝶

□波章
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「…来たか。さあ!今回の行動についつの弁明を貰おうか!」



一番隊隊舎では各隊の隊長が集められていた。
勿論、うちの隊長も例外ではないのだが…。
何故か…いや理由は明確なんだけど、私も呼ばれる羽目になった。
あと少しで隊舎というところで地獄蝶につかまった。
隊舎に帰りたかった。



「三番隊隊長、市丸ギン。そして第三席、皆野紅蓮亜!!!」



大きくて重そうな扉が声とともに開く。
先に入った隊長に続きトボトボと室内に入る。



「何ですの?イキナリ呼び出されたか思うたらこない大袈裟な…」
『呑気すぎますよ隊長ぉ』
「十三番隊長さんがいらっしゃいませんなァ。どないかされはったんですか?」
『病欠されたんでしょう?』
「またですか、そらお大事に」



うちの隊長は呑気すぎるだろ!!
隊長の皆さんが怖い顔して睨んでるんだからシャキッとしてよ…。



「てめえ一人で勝手に旅禍と遊んできたそうじゃねえか。しかも殺し損ねたってのはどういう訳だ?てめえ程の奴が旅禍の4、5人殺せねえ分けねえだろう」
「紅蓮亜ちゃんが相手したんやけど」
『直接手を出したのは隊長じゃないですか人に押し付けないでください』
「いやァ、てっきり死んだ思うててんけどなァ。僕の勘も鈍ったかな?」



隊長の中でも大人な人々は喧嘩を始める。
性格はガキっぽいけど。
私は相手に出来なくなったので少しはずれると冬獅郎と目があった。



「お前大変だな」
『もう慣れたよ…。隊長がフラフラしてる分尻拭いはいつも私か吉良先輩だもん』
「苦労してるな;」



「ぺいっ!」



それまでずっと黙っていた総隊長、山本元柳斎重國が意味不明な叫び声をあげる。
たぶん、真剣だからつっこまないけど。



「今回のおぬしの命令なしの単独行動。そして標的を取り逃がすという隊長としてあるまじき失態!それについておぬしからの説明を貰おうと思っての!その為の隊首会じゃ。どうじゃい、何ぞ弁明でもあるかの、市丸や」



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