リボーン

□暴君と鮫
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誰しも、時が経てば変わる。
例えそれが憤怒の炎をその身に宿す暴君だとしてもだ。


「なぁ、ザンザス。」
「あ?…何だ。」
「ん、や、皆変わったなぁ゛とおもったんだぁ。」
俺はザンザスの執務室のソファーに座りながら考えていたことを目の前で仕事をこなす暴君に言ってみる。
「はっ、当たり前だろう。何時から考えてんのかは知んねえが少なくとも10年は経ってんだ。」
確かにそうなのだ、俺達はこの10年の間にいろんな事を…事実を突きつけられてきた。
絶望し、激怒し、闘って、負けた。
それさえも今は昔の話として語れる程度には時間は経ったし、皆変わった。


俺は今はもう意味を成さなくなった願掛けを飽きもせずに続けてるし、ザンザスだって俺や身内には優しくなってきたが、外の人間には昔と変わらず情け容赦はしない。
「…変わったけど、変わってねぇのか。」
「…?スクアーロ、お前は俺に何を望む?」
…俺がザンザスに望むもの…?
昔の俺は只、彼奴の憤怒に惹かれて?
「俺‥は、ザンザスが俺と一緒に生きて、好きでいてくれたらいい。」
そう、それ以外は必要ない。
俺にはもうザンザスしかいない。 
「そうか。」
ザンザスはそう短く答えると俺の手を引き目が眩むような甘いキスを仕掛けてきた。
「!!…んっはっんぅっ!」
「ッハ、スクアーロ。お前は俺だけをみてろ、そうすれば俺はお前に与えてやるよ。」


「Ti amo.
お前をもう“     ”」
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