高校生の日常と…

□第1話 始まり…
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 ――通学路(朝)――

冬休みが明け、
また今日からいつも通りの学校生活が始まる。


それは別に特別なことでもなく…

俺にとっては冬休みも学校生活もあまり変わらない。


なぜかといえば…


「おはようさん千月」

「おはよう千月ちゃん」

『おぅ、平助、千鶴』


先に声をかけて来たのは
藤堂平助。

短い茶髪に緑がかった目。男にしては小さい方で、
どこか幼さを感じる。
本人は背の小ささを気にしているらしい。


後から声をかけて来たのは雪村千鶴。

そのままなら肩下位まで
あるだろう黒髪を
ポニーテールにしてまとめている。
薄紅色を帯びた大きな目が印象的だ。
俺とは対照的に女らしい女だ。



「つっても久しぶりでも
 何でもねぇよな」

『まぁ、寮だからな』
「仕方ねぇよな」


そう。
俺らが通う薄桜学園は寮制をとっている。

特に武道部には力を入れていて、
武道部の生徒は全員、寮に入っている。


「ってか千月今回は休まな かったな」

『俺だってそうそう何度も 休んではいられない』

「夏休み明けは風邪拗らせ て寝込んでたのにな」

『…うるさい…』


俺はあまり身体が強くない。
そのおかげで、週に1〜2回は点滴をし、
更に長い時間の激しい運動もできない。
薬もかなり飲んでいるんだが…

それでもこの身体は一向に改善されない。


そして、夏休み明けには風邪を拗らせて寝込んでいた。

まったく、この身体には悩まされる。


「でも、冬休み明けは何と もなくて本当に良かった ね」

『あぁ』


「…何が“あぁ”だ」

『……』




この声は……
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