短編書庫
□二人だけの空間なのです
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「こたろー見てみて!!雪降ってきたよ!!」
「・・・・・(コクリ)」
二人並んで窓に張り付き、ちらちら降る雪を眺めていた。
「初雪だねー、どうりで寒いわけだ・・・」
ふるりと小さく震えると、寒いのかと聞くように首を傾げる小太郎。
「ううん、今は大丈夫だよ。小太郎がそばにいるからね」
蒼はそういって彼にすり寄ると、よしよしと頭を撫でられる。
「・・・・・(もっとあっためてあげる)」
「わっ!!」
しばらく彼にくっついていると、突然小太郎に後ろからすっぽりと包まれる。彼の群れに頭を預け、彼を見上げるとふんわりと口元が緩んでいた。
「・・・・・(あったかい?)」
「とってもあったかいよ〜。小太郎大好きっ」
言葉の代わりに、私を抱きしめる腕の力が少し強まった。
・・・そんな二人を、クラスメイトは半ば呆れ顔で見ていた。
「アイツら、ここがclassroomだって分かってんのか?」
「は、破廉恥・・・!!!」
二人だけの空間なのです