短編書庫

□言葉は違えど気持ちは一つ
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政宗様は、英語という異国の言葉をお使いになる。
勉強したことのない私が、当然理解できるわけもなく。
「I love you・・・」
「政宗様、あいらぶゆうとはどういう意味なのですか」
尋ねると、少し笑われて優しく頭を撫でられる。
でも気になるものだから、小十郎様に聞くことにした。あの人はいつも政宗様の異国語を訳してくださるし。
「小十郎様、小十郎様」
「どうなされました、蒼様」
「あいらぶゆうとは、どういう意味なのでしょうか・・・」
一瞬、彼の眉間のしわがきれいに消え去った。私、そんな変なことを聞いたのかしら・・・?
少し迷う様子を見せてから、ふぅ、と息を吐く。
それから、そっと耳打ちされた意味。
「あ・・・・あ?!」
まさかそんな意味だったなんて。顔が燃えるように熱くなる。不意打ち過ぎて奇声まで発してしまった。
あわあわとしている私を見てふっと笑うと、小十郎様はさらに耳打ちを続けた。



今日も政宗様は、いつものように甘い声で囁く。
「蒼、I love you」
ただ、いつもと違うのは、
「みっ・・・Me too」
私の返事と、ほんのり赤い政宗様の頬。



言葉は違えど気持ちは一つ

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