Aesthetic

□第五話
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昨夜眠れなかった昴は朝からジャージに着替え 電車に揺られ目指す所へと歩を進める


辺りはまだ静かなままだが 街が1日に向けて動き出そうとしていると電車の窓からそう思う


なぜ 眠れなかったのだろう

それは多分 人が恋しいのかも知れない

昴は分かりきった答えを出す

昴は一人ぼっちになる事が多く 色々家庭に事情があり一家四人で過ごす事など無かった

最近は妹さえ居らず 一戸建てに一人

だが それは妹 七海も一緒だと昴は自身の弱気さに渇をいれる

姉である私が弱いければ 七海に心配をかける

七海の方が入院生活を過ごし不安だろうに


そう 入院している妹を思い 電車の揺れに、ほんの少し意識を預けた











「………早く着きすぎたな…。」


昴は今日の練習相手である 新鋭の暴君 桐皇高校に来ていた


さつきと大輝がいる


昴は懐かしさを抱きながら まだ開いていない校門の前に座っていた

皆 どうしているのだろう

相変わらず 真太郎はラッキーアイテムを持ち歩き
涼太はモデル業とバスケと忙しそうだった

敦は秋田でお菓子でも食べているのだろう

大輝はろくに授業に出てなさそう

そして 征十郎は未だに勝ち続けているのだろう


昴はその事に胸の痛みを覚え そして征十郎からの言葉を思い出した


「………お前には、帝光バスケ部に居る資格が無い。」


その意味は良く分かった しょうがない 悪いのは私何だと繰り返し自身に分からせる



そして落ち着いた昴は 校門に近づく桐皇高校の生徒の姿を確認し 立ち上がり一足お先に体育館に入った
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