Aesthetic

□第二話
2ページ/2ページ




一通り挨拶を済ませた後昴は実力を見るという監督の指示に従い 火神 日向 木吉 の三人を抜くという練習をする為 髪をゴムで括る


「橙崎。それは気合いを入れる為か?」


ふと木吉にのんびりとした声で聞かれた昴は頷く


「はい。昔からこうしてます。」


そんな昴をみて木吉は笑いながら

「良く似合ってるよ!」

と言ったのを聞き この人は天然なんだろうなと思いながら昴は、ありがとうございます。と返し コートへ入った



「さぁ三人共!全力で橙崎君に当たりなさい!行くわよっ!!」


監督のホイッスルの音が鳴ったのを皮切りに ボールを持った火神を筆頭に日向 木吉が昴に近づく



昴はニヤリと笑い 上体を低くする


「なめられちゃ、困るなぁ…!!」


そう呟き 一瞬の内に火神の脇を通り抜け 火神からボールを奪い そしてその勢いのまま日向をフェイクを噛ませ抜き去る



「…速いっ!!…行けっ!木吉!!」


日向が木吉に向かい叫んだのを聞いて ディフェンスに回った木吉が昴の前に立ちはだかる


普通は抜き去るはずだが 昴はドリブルをしていた筈のボールを高く上げる


それに木吉は驚くが長身を活かしボールに向かい跳ぶ



だが その木吉の頭上を昴が跳んでいた


しかも 空中宙返りをしながら


木吉は驚きに表情が隠せないままボールに手を伸ばすがボールは木吉の手には渡らず昴の手の中に再び収まり 昴はその勢いのまま ダンクを決めた



その 通常あり得ない様な昴のジャンプ力とスピードに全員が言葉を失う



「これが…コート上の道化師……。」


リコが呟いたのを皮切りに 皆が昴を見つめる



「…道化師なら曲芸の一つや二つやらないと…ね?」


そうやって微笑んだ昴にはやはり キセキの世代と呼ばれるに相応しいオーラが出ていた


ただでさえ ラン&ガンを得意とした速攻型チームの主力メンバーを軽々とあしらい ダンクを決める

これがキセキなのか キセキとはこうも強いのかと昴の誠凛バスケ部の一日目は部員にその強さを刻み付けた



 
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ